【卓球】ブンデスリーガで活躍する上田仁の逆転の発想。「不自由な環境こそ大切にしたい」
「青森や山口のような地方の町に、卓球に集中できる練習拠点を作ることで、そこでやりたいと思う選手が結構いるのではないか」
卓球のブンデスリーガ「ケーニヒスホーフェン」で前半戦9勝4敗の好成績を残した33歳の上田仁がドイツでの生活と自身の卓球について卓球王国PLUSの独占インタビューで語った。 ドイツでの経験を通じて、日本との価値観の違いに気づくことが多かったという。上田は「日本では常識だと思われることが、ドイツでは通じないこともあります。特に、医者や学校の先生も自分の時間を大切にしているのが当たり前で、皆が自分の幸せを追求するために働いていると感じます」と述べた。 また、日本とドイツの違いについては、「こちらでは自由な時間の使い方が一般的で、契約書に書かれていることは守るものの、日常的には時間を守らないこともよくあります。自分にとってどうかを最優先に考える人が多いですね」と語った。 ドイツに住む上田の子どもたちの成長にも触れ、長男には「日本ではこうだけど、ここドイツだから」と言われることが増え、下の子はドイツの環境に順応してオープンな性格になったという。「ドイツにはさまざまな国の子どもたちがいるので、誰にでもオープンに接することができるのはすごいと思います」と感じている。 ドイツに来て1年半の上田は、「本当に5年分くらいのことを経験した気がします。日々、発見がありますね」と振り返る。 「ドイツではバスと電車に乗って5時間かけて練習に行くことを普通にやっているのです。そう考えると、日本はすごく恵まれていると思いますが、恵まれているがゆえに難しい部分もあるとも感じます。だから、戸上と話していたのは、青森や山口のような地方の町に、卓球に集中できる練習拠点を作ることで、そこでやりたいと思う選手が結構いるのではないかということです」 「不自由さゆえにできないこともあるんですね。物理的な理由、例えば日本から遠いとか、ドイツの田舎町に練習場があるとか、その中で自分が工夫をして、考えを巡らせてやっていくことが、より充実感をもたらすと思うのです」と彼自身の卓球観が変わったことを語っている。 (卓球王国PLUS独占インタビューからの抜粋)