データを活用して好きな香りとの出会いを作る:「カラリア 香りの定期便」
私たちの周りには、“香り”に関わる商品が溢れている。香水やルームフレグランスなど、香り自体を楽しめる商品だけでなく、ボディケアやバスグッズのように本来の用途にプラスして香りを楽しめる商品もある。商品を購入するときには、「好みの香りかどうか」を基準に選んでいる人も多いだろう。
『株式会社High Link』は、「テクノロジーを活用して、香りとの出会いを最適化したい」との思いから、香りの定期便『Coloria(カラリア)』を立ち上げた。同プラットフォームでは、さまざまな香りのラインナップを用意しており、プランに応じて好きな香りのアイテムを毎月少量ずつ試すことができる。 今回は、同社で代表取締役CEOを務める南木将宏さんに、カラリアを立ち上げた経緯やサービスを通して実現したいことなどについて話を伺った。
香りの領域にも、テクノロジーの活用を
ー御社が創業した背景を教えてください。 弊社は、私が大学4年生だった2017年6月に創業しました。私は小さい頃から社長に何となく憧れていたこともあり、大学に入学すると1年生の頃から数社のインターンに参加してきました。 インターンに参加するなかで、同じ学生でもベンチャー企業で活躍している人がたくさんいることに気付いたんです。 また、その企業の代表と一対一でお話しする時間も設けていただいて。起業に関していろいろなことを教わったり、その代表がほしいとおっしゃっていた情報を調べてお伝えしたりもしていました。 そういった経験を積んでいくなかで、「社会人になってから起業するのではなく、今すぐチャレンジしたい」と思うようになったんです。本気で働こうと思い、休学して創業に至りました。 ー創業当初からカラリアを運営されていたのでしょうか? 当時はまったく別の事業でチャレンジを始めていて、1年くらいはうまくいかない期間がありました。カラリアを立ち上げるまで、売れそうなものをいろいろと検証していたのですが、そうすると自分が楽しみながら事業をやっているとは思えなくて。 そのため、自分が興味のある領域で、かつ売り上げが立つ事業をしようと決心したんです。そこから香りに注目して、2018年9月にカラリアを立ち上げました。 ー「香り」は、南木さんが興味を持っていた分野のひとつだったんですね。 そうなんです。私の興味のあるジャンルが車や時計、スーツ、革靴など、かっこいい社長から連想するものが多くて。その中に香水も入っていましたし、もともと好きでよく使っていました。 そういった身近なものから調べていくと、香水が一番チャレンジしやすそうだなと思ったため、香りの分野で事業を展開することにしました。 ー当初から、現在と同様の「定期便」で考えられていたのですか? はじめは自社ブランドを作ろうとしていたんです。ただ、無名のブランドが目に見えない香りのことを文章で説明しても、なかなか魅力が伝わらないので、「果たして買ってもらえるだろうか」と考えました。 また、当時からEC化やテクノロジーの活用がいろいろな分野で進んでいましたが、香りの領域はまだEC化が進んでいなかったり、購買体験も店舗が中心だったり。ここに対してチャレンジしている人がいないな、とも感じていました。 一方で市場には、ボディケアやヘアケア、消臭スプレーなど、香りで購入の意思決定をするものがとてもたくさんあります。この目に見えない香りに関する体験のプロセスを、テクノロジーを活用して改善すれば、多くの人に楽しんでもらえるサービスになるかもしれないと。 そう考えたことから、自社でものを作るのではなく、プラットフォームとしてサービスを開始しました。