【期待】「簡単な3つの質問」でアルツハイマー病の疑い判定が可能に?慶応大開発者が解説…初期の段階から認知症に気づき早期発見へ
“手遅れ”になる前に…開発者が解説
――この3つの質問は、家庭でも取り入れることはできるのでしょうか? 伊東特任教授: この診断法というのは、元々家族ではなく第三者、例えばお医者さんや介護施設の方を前提としております。ですので、同じ家に住んでいる方だと、その精度が落ちると思います。 ――患者さんが学習して判定の精度に影響がでることは? そうですね、患者さんがこれを学習してしまって答えを言ってしまう可能性はありますが、認知症の方というのは、学習能力も落ちていますので…。 今回私は、むしろ広く一般の方々に利用していただいて、そしてアルツハイマーの気付きにつながり、そして医療機関につないでいただければと思い、発表させていただきました ――「ニュース」というのはメディアが伝える報道?それとも日常的な出来事? この場合は、公共性のあるニュースです。ですから、政治・経済・国際情勢・芸能・スポーツなんでもいいですから、みんなが知っているニュースでひとつ答えてくださいと。 ――「現在の楽しみ」は具体的に答えられれば問題ない? 基本的には、具体的になにかひとつ答えると。ただそれは、例えば1年以上やっていない「ゴルフ」でも、具体的に答えられれば、それは「回答あり」にします。 ――“あり”になると、アルツハイマーの可能性が? そうです。当初私たちが研究したときは、むしろ“ない”方が陽性の比率が高いと思ったのですが、結果は“ある”方だったんです。3つの組み合わせで。 というのは、アルツハイマー病の方の特徴というのが、自分は健康である、正常であると言うことをアピールするんです。「取り繕う」ということになります。ですから、この楽しみというのは、本当は最近やっていないゴルフもやっているんだよと取り繕うことによって、答えられる方がアルツハイマーの可能性が高いと。 むしろ全部ないという方は、鬱(うつ)傾向になるので、アルツハイマー病以外の認定を。例えば、レビー小体型認知症などはかなり鬱傾向が強くなるので、そういった方は楽しみがないといいますし。 ――アルツハイマー病の進行を抑える新たな治療薬なども発表されていますが、今回の質問も合わせてアルツハイマー病で苦しむ人の手助けになるでしょうか? (病院に来た)たくさんの患者さんが治療薬を希望されて受診されるんですが、実に半分以上の方が適応外になります。それは、その多くの方が中等症になってしまったと。いわゆる、遅かった、手遅れだったと。 ですから、今回のような非常に簡便な診断法、検査法で初期の段階から認知症に気づいていただいて、認知症専門医につなげていただければと思っております。 (「めざまし8」11月27日放送より)
めざまし8