<チェジュ航空旅客機事故>務安空港設計会社「ローカライザーは安全区域外…制約条件ない」
29日、韓国務安(ムアン)空港で発生したチェジュ航空事故の被害を拡大させたとみられる丘型の「計器着陸装置」(ローカライザー)に対し、空港設計を担当したエンジニアリング社の高位関係者は「国内外の基準と規定から外れていない」と明らかにした。 【写真】旅客機との衝突で破損したローカライザー この関係者は30日、中央日報の取材陣に対して「議論になっているローカライザーは滑走路端安全区域の外にある施設なので特別な制約条件がない」とし「これは現在も特に変わっていない」と説明した。 該当エンジニアリング社は1998年~1999年の間にターンキー(一括受注契約)で発注された務安空港の実施設計を担当し、空港分野では韓国では屈指の会社に挙げられる。 この関係者はまた、滑走路末端にコンクリート構造物や丘を設置するのは非常識だという指摘について「関連規定や状況を知らないでそのように言うことはできるが、われわれは規定と基準を用いて説明せざるをえない」とし「国内外の基準や規定をすべて含んでいる」と答えた。 航空機進入方向と反対側の滑走路末端付近に設置されるローカライザーは滑走路の中心線の延長上にアンテナが設置されていて、着陸する航空機に滑走路の中心を正確に伝える役割を果たす。 この関係者は「滑走路安全区域の外には管制塔もあるが、もし航空機が胴体着陸を行い滑走路外に滑っていって管制塔に衝突する場合にはこれも問題になるということか」とし「航空機が滑走路を外れる可能性などを考慮して安全区域を設定した」と説明した。 海外の専門家が滑走路末端に丘型の施設を設置したのは見たことがないと主張していることについては「本人は見たことがないかもしれないが、それは自分たちの基準で話していること」と反論した。 この関係者の言葉は現在国土交通部の立場とほぼ同じだ。国土部関係者は問題のローカライザーは終端安全区域の外にあるので関連安全基準や設置基準の適用を受けない」と明らかにした。 国土交通部の「空港・飛行場施設および離着陸場設置基準」によると、滑走路末端の安全区域は航空機が着陸後に適時に止まることができず滑走路末端部分を外れた場合、航空機の損傷を軽減するために着陸帯末端の先に設定された区域を指す。 航空機が滑走路を越えた時の被害を最小化するために設定した区域といえる。該当の基準によると、滑走路末端安全区域は着陸帯末端から少なくとも90メートル以上必要で、務安空港は199メートルに設定されている。 国土部によると、議論になっているコンクリート台と丘型のローカライザーはこの区域から5メートル後方に設置されている。滑走路端安全区域の外にある。 滑走路端安全区域内にある施設は設置基準が厳しい。該当の基準第22条には「航行に使用される装備および施設として必ず滑走路端安全区域に設置されなければならない物体は航空機に対する危険を最小化することができるように折れやすい材質を使用し、最小重量および高さで設置しなければならない」と規定している。 また、国土部の「空港安全運営基準」第42条にも「(着陸帯、誘導路帯および滑走路端安全区域に)不法障害物がないこと。ただし、設置が許可された物体に対しては支える基礎構造物が地盤より7.5センチ以上高くならないようにし、物体は折れやすい構造で設置しなくてはならない」と提示されている。 だが、滑走路端安全区域の外にある施設に対しては特別な制約はないといえる。国土部関係者は「近く国内外の関連規定を包括してローカライザー問題について説明する考え」と話した。