「国会参考人・金於俊氏の『韓東勲暗殺班』説は虚構」と結論付けた共に民主党報告書【12月19日付社説】
進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の国会国防委関係者が、ユーチューバーの金於俊(キム・オジュン)氏の主張していた「韓東勲(ハン・ドンフン)暗殺班」説について「かなりの虚構」と判断するという報告書を出した。金氏は今月13日、国会にやって来て「戒厳軍が(保守系与党『国民の力』の)韓東勲代表=肩書は当時=を射殺する計画があり、米軍数名を射殺して米軍が北朝鮮を爆撃するように誘導する、という情報提供を受けた」と発言した。金氏は「国内に大使館がある友邦国」が情報の出所だと言ったが、どこの国なのかは明らかにしなかった。 【グラフィック】はしご外し? 「韓東勲暗殺班」説巡る共に民主党報告書の内容
金氏の主張は、内容が衝撃的な上に、李在明(イ・ジェミョン)民主党代表まで「十分にそんな計画をやりそうな集団」だと言って肩を持つような反応を見せたことから、波紋が大きくなった。出所も明らかでない内容を国会で話すように場を整えてやったのも、やはり民主党だった。金氏の主張は、未確認状態で拡散されてはならない内容だった。 民主党の国防委報告書は、根拠を提示しない一方的主張に対して一線を画した、という意味がある。同報告書は「韓東勲暗殺班」について「軍事情報機関について過去の限られた知識を持つ人物が、情報公開が制限されている特性を悪用した」とし「情報司(国軍情報司令部)エージェントの戒厳加担という一部の事実を基に虚構を加味した」という見方を示した。この話はうそ、という意味だ。 北朝鮮の軍服をわざと埋めておき、後で軍服を発見して「北朝鮮の仕業」と発表する計画があった-という主張については「韓国で活動している北朝鮮工作員や共産ゲリラは、敵味方の識別を難しくするために民間人や韓国軍の服装をする」「網に引っかかった潜水艦から非常脱出した特殊な状況を除くと、潜入北朝鮮軍が北朝鮮の軍服を着て来た事例もない」とした。北朝鮮製の無人機に武器を積んで使用するという計画については「自爆無人機が大部分の北朝鮮無人機に武器搭載という主張自体が、正確な知識のないことを示す」「北朝鮮の武器搭載無人機は試作品段階」だとした。軍事知識や情報を根拠に虚構を区分した報告書だとみることができる。 今回の非常戒厳事態が常識を逸脱しているせいで、ユーチューバーの主張だからといって無条件にデマだとも言えない、というのが韓国社会の雰囲気だ。しかし、うその主張に国が振り回されてもいけない。ところが依然として金炳周(キム・ビョンジュ)民主党議員は「米国側から多くの情報が出ている。事実である可能性に重きを置いている」と言っている。それなら根拠を提示すべきだ。民主党は責任ある政党の姿を示さなければならない。