プーチン氏のタトゥー入れたダンサーのポルーニン氏、ロシア出国を表明
【AFP=時事】英ロイヤル・バレエ団の元スターで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のタトゥーを入れていることでも知られるバレエダンサーのセルゲイ・ポルーニン氏(35)が18日、ロシアを離れる考えを明らかにした。 【写真】ロシア、侵攻非難した俳優ドパルデュー氏に「説明」申し出 ウクライナ出身でロシア国籍を持つポルーニン氏は、ロシアによる2014年のクリミア半島併合とウクライナ侵攻を支持した著名人の一人。その見返りとして、ロシア国内で要職を与えられていた。 ポルーニン氏は15日、閲覧者が少ないテレグラムに、つづりを間違えた箇所もある、とりとめのないメッセージを投稿。その後、18日に同一のメッセージをインスタグラムに投稿し、「ロシアでの私の時間はずいぶん前に終わってしまった。今は、この国での使命を終えたように思う」とつづっている。 出国の具体的な理由は明かしていないが、「魂が、あるべき場所にないと感じる」とも述べ、妻と3人の子どもたちとロシアを出るつもりだが「どこに行くかはまだはっきりしていない」としている。 夏には、身の危険を訴え、尾行されていると主張していた。 ポルーニン氏は、プーチン氏による2014年のクリミア併合を支持し、2019年にロシアの市民権を取得。 同年に行われたAFPの取材では、胸に大きく入れたプーチン氏のタトゥーをあらわにして写真撮影に臨み、その後、両肩にもプーチンの顔のタトゥーを入れていた。右手にはウクライナの国章である三つまたの矛も入れている。 昨年には、ダンスの普及に貢献したとしてプーチン氏から勲章を授与されていた。 しかし、今年8月にはクリミアのセバストポリのダンスアカデミーの学長職を返上。さらに1週間前には同市内にあるオペラ・バレエ劇場のディレクター職についても、ロシアの文化相を通じて、オペラ歌手のイルダール・アブドラザコフ氏が後任として発表された。 その直前の今月9日、ポルーニン氏はSNSに、自身の家族の出身地であるウクライナのヘルソン市近郊でロシア軍の猛攻を受けている集落の人々に対して「とても申し訳なく思っている」と表明し、「最悪の取引でも戦争よりましだ」と投稿していた。【翻訳編集】 AFPBB News