【大学野球】法大を活気づける起爆剤 鋭いスイングから快打を放つ2年生・藤森康淳
慶大戦でリーグ戦第1号
【10月19日】東京六大学リーグ戦第6週 法大3-1慶大(法大1勝) 1対1で迎えた9回表の先頭打者。七番・一塁の藤森康淳(2年・天理高)は、この回から救援した慶大の二番手・前田晃宏(3年・慶應義塾高)が投じた真ん中高めのストレートを、右翼席へ運んだ。勝ち越しソロである。一死から主将・吉安遼哉(4年・大阪桐蔭高)のソロが飛び出し、法大が3対1で先勝した。 「同点で最終回。塁に出ることを意識していました。真っすぐ一本に絞って打席に入りました。打撃のほうで4年生に迷惑をかけてきたので、役割を果たそうと思いました」 リーグ戦第1号の感想は、こうである。 「野球人生で一番、うれしかった」 高校通算2本塁打は、いずれも練習試合。大学でも社会人相手のオープン戦で1本塁打を放っているが、公式戦初アーチは格別だった。
天理高時代から抜群のバットコントロールと好守の内野手として注目され、3年時には高校日本代表でプレー。法大でも1年春から出場機会に恵まれた。今春はチーム事情で中堅手を守り、自身初の規定打席に到達。ところが、打率.189(リーグ28位)と不本意な成績に終わった。今秋は一塁で8試合、右翼で2試合の先発と、ユーティリティーぶりを発揮している。「いろいろなポジションでゲームに出場させていただき、ありがたいです。自分の役目が果たせるようにしています」。大島公一監督が起用したい理由はこうである。 「足が速い。スイングが鋭い。守備、走塁もアグレッシブで野球小僧です!!」 チームを活気づける起爆剤。11試合で打率.282(39打数11安打)と、春から飛躍的に向上している。中学時代は羽曳野ボーイズ、そして、天理高と名門チームで磨かれたポテンシャルを武器にして、2年生ながら法大をけん引していく覚悟がある。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール