44歳男性「愛情の反対って無関心だと思い知ります、妻が私に無関心で」 レス以上に冷め切った夫婦関係の背景は
昨年末、25年ぶり実施の『性機能障害の全国実態調査に関する報告』が発表されました。年齢別EDの有病率はなんと50歳以上で41.7%。また、性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。 つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。 これらの社会課題を男性側の視点で捉え、執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートします。 【無子社会を考える#4】前編
「寄り添ってくれそうなところに惹かれて」出会って3か月で交際
「愛情の反対は無関心なんですよ、それを日々痛感します」 その一言のなかに、夫婦間の冷め切った関係がこちらに伝わってきす。今回、取材に応じてくれたのは愛知県在住のモトキさん(44歳・会社員)です。 モトキさんの家庭は共働きの妻(44歳)、長男(17歳)の3人家族。大手自動車メーカーでエンジニアとして働くモトキさんが結婚したのは、大卒後、社会人3年目のときでした。 大学が工業系だったこともあり、学生時代は出会いが少なく、モトキさんには恋愛経験はあまりなかったといいます。異性に対して奥手な彼に転機が訪れたのは、現在も勤める自動車会社の先輩に連れていってもらった合コンでした。 「妻はとにかく素朴な人で、寄り添ってくれそうな仕草に惹かれたのだと思います」 モトキさんの方が奥様を気になり、積極的に連絡を取る仲に発展。気付けば出会いから3ヶ月後に交際が始まったといいます。 「基本的に週末にデートをするのですが、次第に彼女の家に入り浸るようになって、いわゆる半同棲ってやつですね」 こうして順調に2年半の交際期間を経て、モトキさんはめでたく結婚することになりました。
子どもが生まれてレス状態は進んだけれど「気にしていなかった」
「結婚当初は付き合っていた頃と何も変わらず、仕事も家庭も充実していたと思います。夫婦関係が変わったのは息子ができてからですね。それまでの妻と夫という関係から徐々にパパとママの関係に変わっていって、これは本当にそうなるもんだなぁと実感しました」 落ち着いた表情で淡々と話し続けてくれるモトキさん、息子と出会うことができて、奥さまには本当に感謝しているといいます。 「正直、息子が生まれて、徐々にレス気味になっていきました。なのですが、これまで以上に仕事を頑張らないといけないと上司にも言われ、仕事の責任感が大きくなり、レス自体はあまり気にしていませんでした」 息子さんの誕生と重なるように出張の回数が増えたというモトキさん。仕事に邁進する中で夫婦関係を疎かにしがちになっていたようです。 「当時は妻も働いていて、出産後の産休明けから仕事に復帰したのですが、仕事と子育ての両立は想像以上に大変だったと思います。この時期、私がうまくサポートできていればよかったのですが、正直、そのときは全てが初めての体験だったので、お互いに余裕がなくてケンカが増えていきました。仕事も激務が続いて、妻にはそれとなく転職することを勧められたのですが、私は不器用な性格で当時は聞く耳をもっていませんでした」 日々のすれ違いが少しづつ大きくなった時期でもあるようです。では本題の「レスになったきっかけ」について、モトキさんに率直に語っていただきました。