43年連続で子どもが減る日本 「頑張れー!」大手企業ら14社協賛、渋野日向子が寒空に響かせた声
渋野もホームラン大会で3スイングを披露。「大丈夫!」「頑張れー!」「いっけーー!」。マイクを握れば、上手くいかない子たちを励まし続けた。 「声がガラガラです。楽しく過ごせた一日でした。この大会だろうが、私の試合を見に来てくれた子だろうが、小さい子のパワーは無限大すぎます。見ているほうがこんなにパワーをもらえるのかと。迫力があるし、元気いっぱいなので初心に戻れますよね」 初めてゴルフクラブを握った子も休まず打ち続け、終了時間が来ると物足りない様子だった。
協賛には大手企業がズラリ、JALやレクサスも…「自分一人ではできない」
開催3回目の今年、大手企業が手を貸した。特別協賛がサントリー、興和、コムテック、Vポイント、JAL、ミック工業、キャンディル、JAグループ岡山、USレクサス、AIG。協賛はPING、アディダス、ZETT、PLAY SPORTS。渋野の契約先が多く、いち競技の地方大会、しかも小学生ではありえない。渋野の人柄があり、人気、認知度があるから。東京、大阪から報道陣が駆け付けた。 主催者として開閉会式の挨拶、メダル授与式のプレゼンターなどで何度も登壇。そのたびに両手を前に揃え、綺麗なお辞儀で企業役員に頭を下げた。スポンサーの存在で成り立つゴルフ競技。感謝の伝え方も身にしみついている。 「3回も続けてこられたのは、たくさんのお力添えがあったおかげです。ソフトボールだけじゃなく、スナックゴルフもやってくださった。私は無知なので、ソフトボール教室は2人(山田さんと原田さん)の力が必要。岡山ソフトボール協会、審判員の方々、ゴルフも岡山協会などたくさんの方々のサポートがある。自分一人ではできない。私は楽しんでいるので、全く苦労していないです」 自身の競技で普及活動に励むアスリートがほとんどだが、渋野には2つできる。「ゴルフを知る子が増えると嬉しいし、ソフトボールを知る子もいると嬉しい。一石二鳥の良い大会です」
今年はこの大会を目標に据えるチームが増えた。複数の少年団で結成されたチームは何か月も前から合同練習。練習試合を増やし、ナイターまで使うチームも。地域おこしにまで繋がっていく。 「凄く力を入れてやってくれているそうです。この大会をやっている意味を感じます。地域だけじゃなく、合同チームで仲間が増えれば視野も広がるし、みんなの人間力、協調性もたくさん上がるはず。ソフトボールだけじゃなく、いろんな幅が広がると思う。それを年々感じています。これからも岡山の風物詩になるように続けたいし、続けないといけない」 43年連続で子どもの数が減り続け(総務省HPより)、各競技で“パイの奪い合い”が顕著なスポーツ界。ソフトボールは2028年ロサンゼルス五輪で2大会ぶりに復活するが、以降は不透明だ。08年北京、21年東京五輪金メダリストの山田さんは「ソフトボール界にとってもありがたい」と感謝の言葉を繰り返した。