松屋で「1000円超えメニュー」が続々登場 『カットヒレステーキ丼』『煮込みビーフシチュー定食』…価格を嘆く声の一方で「選択肢が増えた」と前向きに受け入れる愛好家も
食べたことがないようなメニューが増えている
商品のクオリティーを保つためには、値上げは避けられない。とはいえ、松屋で1000円超えのメニューが増えていることを受け入れがたいユーザーも少なくないようで、SNSには〈松屋で1000円オーバーはめちゃくちゃ高く感じる〉と嘆く声が多数投稿されている。その一方で、松屋の1000円超えメニューを楽しみにしている愛好家もいる。都内の会社員・Aさん(30代男性)はこう話す。 「学生時代から牛丼チェーンは松屋派で、特に定食系のメニューが好きです。期間限定メニューは毎回食べますね。1000円超えのメニューは確かにちょっと高いとは思いますが、バリエーションも豊かになって、これまであまり食べたことがないようなメニューが増えているのはうれしいです。 最近の個人的なお気に入りは『煮込みビーフシチュー定食』。デミグラス系の味付けは松屋らしい濃厚さで、柔らかく煮込んだ牛肉によく合うんです。松屋のメニューの幅広さを楽しんでいます」 1000円超えメニューが増えたといっても、「他の飲食チェーンに比べれば、松屋はまだ安い」という声も。神奈川県の自営業Bさん(40代男性)は、「松屋はガッツリ食べられるのでいい」と話す。 「ファミレスに行ったら1人2000円くらいかかってしまうし、定食屋さんでも1000円超えのメニューが当たり前。ラーメンだって余裕で1000円くらいする。松屋の場合、定食メニューならごはんの大盛りが無料だし、おかずも味が濃くてガツガツ行ける。同じようなボリュームの定食をほかのお店で食べたら、1000円前後では無理でしょう。ガッツリごはんを1000円前後で食べられるという点で、松屋はまだ高くはないような気もしますね。あと、節約をしたい時は牛めしという選択肢があるのも嬉しいポイントです」
予算に合わせてメニューを選べる
近年の松屋のメニューには、ジョージア料理のシュクメルリ鍋を筆頭に、マレーシア風牛肉煮込みのルンダン、リトアニア風ホワイトソースハンバーグなど、世界各国の料理を松屋風にアレンジしたものも増えている。前出の小浦氏が解説する。 「松屋は、牛丼チェーンの中でも特に個性的なメニューが多い。基本的には和食がベースですが、ごはんに合う料理であれば、どこの国のものでも取り入れる。同じ牛肉やハンバーグを異なるソース、味付けで提供するというメニューも多く、上手く工夫してバリエーションを増やしています。 ただ、最近ではビーフシチューの牛肉、ホルモン、炙りチャーシューなど、定番メニューでは使っていない素材を提供する限定メニューも増えている。その分、価格が高くなることも多く、だからこそ1000円超えのメニューが増えているわけですが、個性的でおいしいメニューも多い。ユーザーを飽きさせることなく、選択肢の幅の広さで戦う松屋の姿勢が見えていると思います。 もちろん、定番メニューの多くが1000円前後まで値上がりすれば、さすがに高いというイメージになるでしょう。しかし現状では、430円の『牛めし』や480円の『オリジナルカレー』というリーズナブルな定番メニューがあったうえで、800円台の定番定食メニューや1000円前後の期間限定メニューがある。予算に合わせてメニューを選べるのは、松屋の大きな魅力です」 牛丼チェーンに“安さ”を求めるユーザーが多いのは事実だが、そこではない魅力を求めるユーザーもいる。松屋の1000円超えメニューは、牛丼チェーンの新たな魅力を切り開くものとなっていくのかもしれない。