築65年老朽化団地、1棟まるごと断熱リノベで暑い、寒い、カビ・結露と決別! 住人は住みながら改修・仮住まいや引越しなしで 「アンレーベ横浜星川」神奈川県横浜市
「住人が選べるプラン」「居ながら改修」ってどうやったの?
「居ながら改修」と名づけられた旧桜ヶ丘共同住宅の改修手法は家賃がアップする「フルリノベーション」「部分リノベーション」と家賃が変わらない「必須リノベーション」の3つのプランから、住人の希望に応じて選べるようにしたものです。 「フルリノベーション」はその名の通り、居住スペース全体を変更。外断熱で覆われない、内階段側の壁も内断熱工法で屋外の暑さ・寒さをシャットアウトします。37.30平米で2DKだった間取りをスケルトン化して、現代の生活スタイルに合わせた1LDKに変え、床や天井はもちろん、キッチン・バス・トイレなどの設備も全て新しいものに替わる分、改修後の家賃が月額約1万5,000円アップすること、工事後はリノベーション済みの住戸に住み替える必要があります。
「部分リノベーション」と「必須リノベーション」では、外断熱と別に、希望する人のみ居住スペースに入って内廊下側に内断熱工事を実施。いずれも今まで通りの住戸に住み続けることができます。「部分リノベーション」は、間取りの変更はありませんが、サッシ交換や設備の入れ替えに加え、和室から洋室に変更するため仮住まいが必要で、改修後の家賃が月額約1,500円アップ。「必須リノベーション」はサッシ交換や設備の入れ替えのみで家賃の増額はありません。 最終的に当時入居していた17世帯のうち「フルリノベーション」を選んだのは4世帯、「部分リノベーション」が4世帯、必須リノベーションが9世帯でした。
日々の生活で実感したその効果。「エアコンの設定温度が変わった!」
暑さ・寒さについて、断熱性能が十分でない環境に住んでいるときは「夏は暑いもの」「冬は寒いもの」と無意識に受け入れている人が多いようです。ところが「断熱工事をした後の部屋に住んで初めて、その違いを実感するようだ」と上田さんは工事前後のことを振り返ります。 「お住まいのみなさんからは『工事後の部屋に住んでみたら、エアコンの設定温度が変わった!』と喜びの声をいただきました。例えば、これまで猛暑日はエアコンの温度を24度~26度にして過ごしていたのが、断熱がしっかりしていれば外の熱を遮断し、エアコンの効きがよくなるので、27度~28度の設定でも十分涼しく過ごせるようです。 たしかに私たちも工事中の空き部屋で打ち合わせをすることなどがありましたが、エアコンがよく効くようになったな、と感じました」