海外メディアも錦織対マレーの死闘を「世界1位が限界まで試された」と報道
男子テニスの今季最終戦ATPツアーファイナル(ロンドン)の1次リーグの第2戦で(日本時間17日)世界ランキング5位の錦織圭(26、日清食品)は、同1位のアンディ・マレー(29、英国)と対戦し、第1セットをタイブレークの末7-6で取ったが、4-6、4-6で逆転負けし、1勝1敗となった。試合時間を記録し始めた1991年以降の3セットマッチとしては最長の3時間20分を記録する死闘だった。ちなみに過去の最長試合は、2010年の準決勝、ナダル-マレー戦の3時間12分。 この結果を受けて、マレーの地元の英国メディアは、一斉にこの試合について報道した。 テレグラフ紙は、「マレーは錦織圭に限界まで試された。しかしAツアー・ファイナルズ史上最も長い3セットマッチを生き抜き21連勝を遂げた。世界ナンバー1は、ナンバー5の錦織を6-7、6-4、6-4で破るのに第1セットだけで85分を含む3時間20分を要した」と報じた。 同記事では、「マレーは、たびたび疲れ切っているように見えた」と、錦織がランキング1位を苦しめた様子を描き、「勝つために必死でやった。圭は、私をかなり走らせた」というマレーのコメントを紹介した。マレーにとって、ギリギリの勝利であったことを示した。 同紙によると、この錦織との試合は、マレーにとって6月の全仏オープン決勝でノバク・ジョコビッチに敗れて以来、世界トップ5の選手との初めての試合だったという。そして、全米オープンの準々決勝でマレーを倒した錦織が、ここ5ヶ月の間にマレーに勝ったわずか3選手の一人であること、錦織は2年前のこの大会でもマレーに勝っていること、そして2日前の試合で錦織がランキング3位のワウリンカから印象的な勝ちを収めていることを紹介した。 さらに第1セット、タイブレークでマレーが3-6とリードされながら追いつき、セットポイントまで取ったものの最終的には錦織が同セットを取ったことや、第2セットの第4ゲームまでマレーに3-1とされながら第8ゲームで、4-4と追いついた錦織の粘りをクローズアップして、「錦織はニューヨーク(での全米オープン)で、ドロップショットでマレーに苦悩を与えていた」と、第2セット途中までの苦しい展開を全米で錦織に負けた試合に重ねて説明。ただ、そのあと有利に2ゲームを奪って、第2セットが取れたことを全米との違いと指摘し、「マレーは今季、これまで以上に試合に出場しており非常に疲れ切っているように見えた。しかし錦織の判断も疲労により鈍っていた」と、ともにシーズンの疲れと、長時間の激戦による疲労の中、必死で戦い抜いた“死闘”だったことを伝えた。