阪神・大山悠輔が残留 5年総額17億円プラス出来高 虎党の声援で決断
今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使した阪神・大山悠輔内野手(29)が29日、兵庫・西宮市の球団事務所で会見し、阪神に残留することを発表した。総額17億円プラス出来高払いで5年契約を結んだ。巨人との争奪戦が注目を集めた中で残留の決め手となったのは、23日のファン感謝デーでの「大山コール」だったと虎党に感謝し、「優勝、日本一に向けてもう一回しっかりやらないといけない」と意欲を新たにした(金額は推定)。 【写真】大山悠輔、阪神は「いい意味でも悪い意味でもすごい球団」 苦悩から解放された安堵(あんど)なのか、多くの報道陣、7台のテレビカメラの前で、大山はすっきりとした表情をみせた。 「来年からもタイガースでプレーすることを決めました」 FA宣言から半月-。阪神残留を決意するまでの経緯を包み隠すことなく明かした。 「ファン感謝デーのときにスタンドに多くの僕の(名前が入った)赤いタオルを広げてもらって。名前を呼ばれたときの歓声もすごくうれしかった」 23日に甲子園で開催されたファン感謝デー。3万8500人からの大山コールと「残ってくれー!!」の大合唱が心に響いた。そして、日本一に輝いた昨年の日本シリーズでの経験だ。「地鳴りのような歓声の感動は忘れられない。もっともっと感じたいなと思った」と明かした。 13日に国内FA権を行使すると宣言。理由は「他球団からの評価が聞きたい」だった。阪神は当初4年契約総額16億円規模で残留交渉。巨人は6年契約総額24億円以上と破格の条件を提示したとされ、宿敵のTG間で初のFA移籍かと注目を集めた。巨人・阿部監督からは「うちに来て世紀の大FAの先駆者になってほしい」、坂本、岡本和といった主力選手からもラブコールが伝えられた。関係者によると、大山は阿部監督とも直接会い、説得を受けていた。 「本当にすごくうれしかった。自分自答する日々というか、自分にとって何がベストなのか、ずっと考えていた」 茨城県出身で、少年時代は巨人のユニホームに憧れた。そんな大山の心を決定づけたのが、前日28日に兵庫県内で行われた選手会ゴルフと納会だった。ナインやスタッフと酒を酌み交わしながら夜遅くまで語り合った。