不動産中堅の「トーセイ」が外資系ファンドに頼られるワケ
マンション開発から出発し、現在は不動産の再生流動化を主力事業にするトーセイ。足元では賃貸マンションやオフィスビルなどの不動産資産の運用受託が急成長している(記者撮影)
外資系ファンドによる大型投資が相次ぐ日本の不動産。投資家からお金を集めるファンドだが、取得した物件の管理運用となると、実は国内の不動産事情に通ずる日本企業に任せることが多い。そうした日本企業の中で異彩を放つのがトーセイ(8923)だ。 トーセイは、ビルやマンションなどの中古物件を仕入れてリノベーションし、売却する不動産の再生流動化を柱とし、不動産ファンドの運用や新築物件の開発、不動産賃貸・管理なども手掛ける独立系の総合不動産会社だ。不動産業界でこそ中堅のトーセイだが、実はファンド運用においては大手に比肩する存在感を示している。 日本投資顧問業協会の調査によれば、2021年6月末時点での不動産関連特定投資運用業の国内預かり総資産額において、トーセイのファンド運用子会社であるトーセイ・アセット・アドバイザーズは2位に位置する。これは、大手デベロッパーや金融機関、外資系ファンドも加盟する中での順位だ。 トーセイの不動産ファンド・コンサルティング事業における受託資産残高(AUM)は、2021年8月末時点で過去最高の1.3兆円を突破。コロナ禍にあっても、期初時点から約2000億円積み増した。2021年11月期末の目標としていたAUM1.2兆円を早々と達成するほど、投資家からの引き合いは強い。 同業他社が系列の上場・私募REIT(不動産投資信託)からの受託が中心であるのに対して、トーセイはAUMの約8割を外資系ファンドからの受託が占める。
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一井 純