首里城地下の32軍司令部壕、第5坑口を2030年度に公開へ 第1坑口はデジタルジオラマの活用で26年度にも 沖縄県が基本計画の素案示す
沖縄戦を指揮した日本軍の第32軍司令部が拠点とした首里城地下の司令部壕の保存・公開に向け、沖縄県は19日、那覇市の県自治研修所で第32軍司令部壕保存・公開基本計画検討委員会を開き、基本計画の素案とスケジュール案を示した。現存する第5坑口と第5坑道の一部を2030年度に公開する。可能な限り、環境の改変は行わず、見学者の安全を考慮して階段や手すりを整備する。 【写真・動画特集】約110mの内部 掘削跡がくっきり、過酷な作業伝える 首里城地下の32軍司令部壕
さらに、32軍壕の全体像を説明する展示施設を県立芸術大学芸術文化研究所(金城キャンパス)敷地内に整備する方針。 第5坑口の劣化を防ぐため、坑口全体を取り込んだ建屋を整備し、出土したトロッコレールの軌道はガラス張りで公開する。 昨年度の試掘調査で場所が判明した第1坑口は遺構(床板など)の保存や劣化防止の観点から埋め戻して保存する。その上で、埋没している坑口・坑道の位置や様子が見学者にイメージできるよう、デジタルジオラマなどの先端技術を活用し、2026年度の公開を予定する。周辺に遊歩道やデッキも設置する。 司令長官室や参謀室など中枢機能が集まっていた第2・3坑道は安全性の確保や劣化防止を図る観点から見学者を坑道内に立ち入らせず、内部の状況を見学する適当な方法を引き続き検討するとしている。 県は今回公表した素案に対するパブリックコメント(意見公募)を25日から1月24日まで実施し、来年3月に基本計画を策定する。
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