【40代、50代・薬と上手に付き合う方法】薬の形、種類、飲む時間…。素朴な疑問で「正しい飲み方」をチェック!
医師が処方したから、薬局で薬剤師がすすめたからというだけで、薬をなんとなく飲んでいないだろうか? しかし薬には、副作用があったり、自己治癒力を低下させてしまうといったデメリットもある。正しく飲まないと効果が減ることも! そこで、「こんなときどうしたらいい?」という薬の正しい飲み方についての素朴な疑問をチェック。薬と上手に付き合っていくためのノウハウを、薬剤師の鈴木素邦(そほう)さんに伺った。
Q1:薬をお茶で飲んではいけないと聞きました。なぜ?
A:薬の成分と化学反応を起こす可能性があるからです。 薬はお茶で飲んではいけない、「水かぬるま湯で飲みましょう」…といわれている。それはどうして? 「一緒に飲むものによって、薬の効果が強くなったり、弱まったり、副作用が出やすくなることがあるからです。 緑茶は、以前には含有するカテキンという成分がよくないという説もありましたが、問題はカフェインです。ですから同じ茶葉からできている紅茶やウーロン茶、また、コーヒーもNGです。薬とカフェインを同時にとると、中枢神経の興奮や心筋収縮力増強、利尿作用が高まる可能性があります。 また牛乳は含有するカルシウムが薬の成分と結合することで、成分の吸収率が低下します。アルコール類は薬の効果を促進させたり、副作用の発現が高まる可能性が。糖尿病の薬では低血糖状態になることもあるので注意が必要です」(鈴木さん) 通常、薬は食後に飲むように指示されることが多く、食後に服薬して、その後にお茶やコーヒーを飲む人もいると思うのだが、それなら大丈夫なのだろうか? 「服薬後すぐにこうした飲み物を飲むのもよくありません。できれば2~3時間空けるか、カフェインレスのコーヒーや、お茶ならほうじ茶、プーアル茶、ハーブティーにするといいと思います」
Q2:錠剤を嚙んで飲むと速く効くって本当?
A:逆に効き目が悪くなることもあります。 錠剤を嚙んだり、カプセルは中身を出して飲んだほうが速く効くような気がする、と思っている人もいるようだ。 「錠剤やカプセル剤は作る段階で、さまざまな工夫がされています。例えば、薬の成分を胃で吸収させたいものと、腸で吸収させたいものがあります。その場合は胃で溶けないように表面をコーティングして、腸まで運ぶようにするのです。または薬の成分をあえて徐々に溶けるようにしているものもあります。それを口で嚙んでしまうと、薬の作用が薄れてしまう可能性があります。 カプセルには中身を出しても問題のないものと、ダメなもの、出してしまうと舌がしびれたり苦味が強いものもあります。 例えば、貧血などに使われる鉄剤は、錠剤、顆粒剤、カプセル剤などがあります。これらの中には、舌にのせた瞬間はメロン味になっているものがあります。それは、鉄剤自体は血の味がするので、飲みやすくするためにコーティングしているのです。 薬はその状態のまま、指示通りに飲むことをおすすめします。中には、せっかくの工夫が台無しになってしまうこともあります」