【40代、50代・薬と上手に付き合う方法】薬の形、種類、飲む時間…。素朴な疑問で「正しい飲み方」をチェック!
Q5:薬を飲み忘れたときはどうしたらいい?
A:次のタイミングで通常通りの摂取を! 1日2回や3回などといわれていても、うっかり飲み忘れることはよくある。 「そんなときは、薬によって異なりますが、基本は次の服用タイミングまで待ちます。その際、飲み忘れた分を含めて2倍飲むのはNGです。 例えば、1日3回飲む薬の場合、朝、昼、夕で分けることで、ちょうどいい効き目を維持するようにできています。ですから、昼に飲み忘れた分を夜に2倍飲むと、効果が出すぎて危険な場合もあります。飲み忘れたときは1回スキップして、次回から通常量を飲むようにします。 ただし、心臓の薬などでは1回スキップすることで命にかかわることもあります。こうした場合は例外です。どのように対処すべきか、事前に主治医や薬剤師に確認しておくと安心です」
Q6:パッチ剤はどこに貼ってもいいの?
A:薬局から指示された場所に貼りましょう。 「皮膚に貼るタイプのパッチ剤(貼付剤・ちょうふざい)は、局所用と全身用があります。局所用はパップ剤(ガーゼなど)やプラスター剤(粘着テープ)など、鎮痛消炎剤の湿布などが代表的。これは皮膚表面の患部に貼ります。ただし、傷口や痛みのある場所は避けましょう。 全身用は有効成分が皮膚を通って血管やリンパ管に入り、全身に回ります。ステロイドや女性ホルモン剤などがあります。この場合は患部周辺だけでなく、粘膜以外どこに貼っても問題は少ないのですが、医薬品メーカーがどこに貼るのがベストかを調査していますので、薬剤師に言われた場所に貼りましょう。同じ場所に貼り続けるとかぶれることもあるので、少しずつ場所を変えるといいでしょう。 また、塗り薬は皮膚に直接塗ることで炎症などを抑える薬です。ステロイド外用剤などは擦り込まず、優しくのばすようにします。一方で、筋肉痛に使用する消炎鎮痛剤は擦り込むように塗ると吸収されやすくなります」
【教えてくれたのは】 鈴木素邦さん 薬剤師。経営学修士(MBA)。「クラヤコンサルティング」代表取締役。城西大学薬学部非常勤講師。東京大学や慶応義塾大学などの教壇に立ち、多くの薬剤師を世に送り出す。薬局薬剤師の経験、多くの薬剤師を輩出した経験をもとに、お客様第一の薬局になれるような薬局向け経営コンサルティングを行う。研修講師としても、薬局経営者向け中心に講座を実施している。著書に『薬の裏側』(総合法令出版)など。 イラスト/いいあい 取材・原文/山村浩子