「日本経済を支える100歳ビル」に「間もなく消えるレトロビル」も…初開催“建築フェス”で名建築と触れ合ってみた
⑧東京駅丸の内駅舎/東京ステーションホテル(1914年築・2012年復原)
今回の「名建築巡りワンデートリップ」のフィニッシュは「東京駅丸の内駅舎」。まさに「東京建築祭」の終着点としてふさわしい場所であろう。 東京駅丸の内駅舎の南北ドーム下2階部分には回廊が設けられており、東京建築祭の期間はそのうち南側で駅舎の歴史などに関する特別展示が行われていた。この回廊も、丸の内で見学した他の建物と同じく通常でも立ち入ることができる場所だ(北ドーム下2階は東京ステーションギャラリーを利用すると見学することができる)。 南北の回廊には東京駅の歴史を紹介する資料や模型、復原前に使われていた部材などが常設展示されている。むしろ東京建築祭の期間外のほうがゆっくり見学できるかも知れないので、駅を利用するついでに訪れてみて欲しい。
変わりゆく都心の今のすがた
大盛況の末に幕を閉じた東京建築祭。1日でどれだけ見れるか不安であったが、公開対象となっていた17棟のうち8つの名建築をめぐり、さらにそのうち3棟は当日限定の「特別公開」されている部分にも入ることができた。東京建築祭実行委員会の発表によると、建築祭の最終的な参加人数は約6万5000人。これは日本国内の建築祭としては過去最大級だったそうだ。 常に変化しつづける東京都心。今回公開された建物のなかには再開発により近く見納めとなるものも含まれていたが、建築祭が毎年開催されることとなれば、こうした「変わりゆく都心の今のすがた」の記憶を次世代へと残すキッカケにもなろう。今後、末永く続いていくことを期待したい(建築祭当日は混雑していたこともあり、一部の写真は事前・事後に撮影したものです)。 <取材・文/若杉優貴> 参考文献: 栢木まどか 編(2020):『復興建築』トゥーヴァージンズ. 東京建築祭実行委員会 編(2024):『東京建築祭2024』東京建築祭実行委員会.(公式パンフレット) 松田力(2023):『東京建築さんぽマップ最新改訂版』エクスナレッジ. 東京建築祭2024ウェブサイト そのほか日証館(平和不動産)、三井本館(日本橋三井タワー)など各建物の公式ウェブサイト、各建物に設置された案内展示 取材協力:三越伊勢丹HD・三越劇場 【都市商業研究所】 『都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitter:@toshouken
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