「社長になりませんか?」は闇バイトの可能性…最近増えている「怪しい会社設立」の相談【司法書士が注意喚起】
「社長になりませんか?」は闇バイトの可能性
司法書士もそうでない人も、このような“怪しい会社設立”の相談にご注意ください。 まず司法書士の読者は、当然ではありますが、本人確認をしっかりと行いましょう。これは普通の問い合わせではない可能性があります。本人確認ができないようであれば、設立を受諾してはいけません。 新人司法書士でまだ仕事が少ない状況だと、このような案件に飛びつきたくなる人もいるかもしれません。しかし、「法律で決められたことですから、本人確認ができないと設立できません」ときちんと跳ね除けましょう。 司法書士ではない一般読者の場合は、いわゆる“名義社長”という形でこのような案件と関わってしまう可能性があります。「株式会社を作るので、そこの社長にならないか」「お金を払うから名前だけ貸してくれないか」などの提案を受け、印鑑証明書と身分証明書を提供してしまうケースです。 株式会社では、会社に何かあった場合は役員に責任が生じます。軽い気持ちで印鑑証明書と身分証明書を貸したら、いつの間にか知らない会社の名義社長にされていたばかりか、身に覚えのない責任が生じてしまったとなれば悲惨です。 この“名義社長”は、近年問題化している「闇バイト」の1つである可能性もあります。お金目的で安易に名義社長に就任してしまうことのないよう、十分にご注意ください。 佐伯 知哉 司法書士法人さえき事務所 所長
佐伯 知哉