西部ガス「メタネーション」実証設備建設へ…CO2と水素を合成してメタン生産「脱炭素化へ大きな一歩」
西部ガスは15日、北九州市の液化天然ガス(LNG)受け入れ拠点「ひびきLNG基地」で、二酸化炭素(CO2)と水素を合成して人工的に都市ガス原料のメタンをつくる「メタネーション」の実証設備の建設に着工する。CO2の排出削減につなげる狙いだ。投資額は約10億円。 【組織図】西部ガスグループの事業構成
設備では基地内のボイラーから回収するCO2と、水を電気分解して発生させる水素からメタンを合成する。生産能力は1時間に12・5立方メートルで、来年6月に稼働し、都市ガスとして企業への供給を始める計画だ。
都市ガスを燃やすとCO2が発生するが、メタネーションで原料として使えば相殺されるため、全体的に大気中のCO2が増えないとされる。ただ、コストが高いことが課題となっており、実証では、近隣の工場から排出される不要な水素の活用などで抑制できないか検証する。
14日には現地で安全祈願祭が開かれ、木下貴夫取締役が「実証はガスの脱炭素化に向けた大きな第一歩。製造コスト低減の知見は地域の発展に貢献する」とあいさつした。