【女子日本代表OG対談②】栗原三佳×三好南穂「2人から見たパリ五輪戦士・12名の素顔とは?」
■後輩たちのポテンシャルは無限大
――続いて赤穂ひまわり選手。 栗原 私たぶん、互いに心を打ち明けらへんまま終わっちゃったかも。 三好 大丈夫。ヒマ(赤穂)はね最近大人になったからか、久しぶりに会ってもしゃべってくれるけど、以前は合宿終わりに「お疲れさまです!」という感じで解散したのに、5日間後ぐらいに次の合宿で会うと、最初は「あ、こんにちは…」みたいな。毎回『はじめまして』に戻る。 栗原 たった5日で? 三好 そう、5日間でそうなる。でも、ユラに対して冷静にぼそっとツッコミ入れて、それが面白い。 栗原 普段はあまり自分から言わへんけど、たくさんのことを考えているよね。 三好 プレーヤーとしてすごいよね。 栗原 あれはすごい。 三好 ディフェンスもできるし何でもできる。あんな人いない。 栗原 ポテンシャルが高い。 三好 今はセカンドメンバーだけど、それはスタメンでも出られるけれど、セカンドメンバーでもメンタルとして安定してやれるからだと思う。あの若さですごいプレーヤー。 栗原 リバウンドも反応が早いから、どっから飛んできた? みたいな。いつもいいところにいる。感覚的なところはあると思うけど、運動能力も高いよね。 ――ここまで年齢順にきましたが、次は最年少の東藤なな子選手でお願います。 栗原 私は試合で対戦しただけですが、ルーキーか2年目なのに、高卒の選手と思えない落ち着きと貫禄があって冷静な選手だなという印象を持ちました。 三好 普段もそうですし、プレーでも献身的ですね。地味という言い方が正しいかは分かりませんが、ディフェンスや合わせのプレー、リバウンドなど、バスケットはシュートを決める人が目立つけれど、ナナコはそういう地道なところをしっかりやってくれる。本当に一生懸命に取り組む選手なので、私は誰か一人に感情移入はしないですが、報われてほしいなと思って見ていました。それこそOQT(2月に開催されたオリンピック予選)ではメンバーから外れてしまったけれど、すごく頑張って結果も残してオリンピックのメンバーに入ったことは良かったなと思います。 ――では、最後はトヨタ自動車所属の山本麻衣選手で締めたいと思います。 栗原 リム(山本)もすごい女の子やな。普段は可愛らしい感じだけど、トレーニングとか食事や睡眠も含めてバスケットに関係することは一番ストイックかな。 三好 かわいい系だけど12人の中で一番メンタル強いと思う。 栗原 『自分はこうあるべき』という芯が強い気がするね。 三好 それに負けず嫌い。 栗原 「ハハハ」って笑っている中でも、『いや、絶対負けないし』という気持ちの強さは人一倍持ってるよね。 三好 一緒にプレーしてていてもボールをほしい、『私にちょうだい』みたいな雰囲気を感じた。でも、それだけ自信持ってやってるし、実際に結果も出すから。 栗原 常にメラメラしているよね。やられたら絶対にやり返すタイプ。あとは自分の中で許せると許せないとのラインが決まっているから、絶対にここまで自分を持っていくっていう設定はしてる感じはありますね。 ――これで12名の紹介を終えたわけですが、最後に決戦を迎える日本チームにエールをお願いします。 栗原 たくさん経験している選手が多くいるので、苦しいときこそみんなで一丸になるという強さは今まで以上にあると思います。どんなときも笑顔で楽しんで頑張ってほしいですし、それだけの実力があると思うので、仲間を信じて戦ってほしいです。 三好 東京オリンピック以降、メディアでの扱われ方としても金メダルといった好成績が期待されています。もちろん、チームのみんなもそこを狙っていると思うのですが、その分プレッシャーというのは大きいはず。あれだけ笑顔でやっているけど、心の中はプレッシャーで苦しいと思うので、金メダルを目指す中でも、とにかく楽しんでほしいなと思います。誰かのためにとか、日本のバスケット盛り上げるためにメダルが必要とかそういう考えも分かりますが、まずは自分たちのために頑張ってほしいです。 ――これで以上になります。栗原さん、三好さんありがとうございました。
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