高校生+EVスクーターが電動バイク普及の切り札になる⁉……〈多事走論〉from Nom
2時間の講義の後は待望の試乗タイム
講義は計2時間行われ、1時限目は「カーボンニュートラルと電動化の取組み」、2時限目は「電動バイクの仕組みと特徴」。この2つのテーマで、開発責任者の後藤さんと責任者代行の内山さんがレクチャーしました。 とくに2時限目の「電動バイクの仕組みと特徴」は、さすが機械工学を学んでいる学生用ということで、かなり突っ込んだ内容にも触れていました。学生たちも、自分たちが将来目指すかもしれないバイクメーカーの現役エンジニアから直接話が聞ける貴重な機会ということで、熱心に聞きいっていました。 講義の後は、お昼休みを挟んで待望の試乗タイム。当日は、計24名の学生が試乗しましたが、なかには講義を受けた電気科/機械科以外の学生も。全員、親の許可を受けて試乗に臨みました。 ほとんどすべての学生が電動バイクは初体験。静かで快適という意見や、逆に静かすぎてクルマなどに気づかれないかも、という感想もありました(試乗した学生のコメントは囲み記事を参照)。 ◆自分たちが学んでいる領域の話とあって、学生たちは集中して講義に聞き入っていた。 ◆電動バイクに男子も女子も興味津々! 講義後は開発者に直接話を聞く機会も。 ◆24名の学生がEM1e:を体験。試乗前には秩父警察から来校した2名の白バイ隊員が安全運転に関するレクチャーを行った。 ◆HMJのインストラクターから、EVスクーターの運転の注意点を聞いてからEM1 e:に試乗。高校の敷地内をスクーターが走るなんてまさに異例中の異例だ。 まだまだ発展途上で、充電インフラや航続距離の問題などで本格的な普及には至っていない電動バイク、EVスクーターですが、調べてみると2050年に二酸化炭素排出実質ゼロを表明している自治体は昨年末時点で1013自治体(46都道府県、570市、22特別区、327町、48村)あります。 しかし、東京都(ガソリン車両との価格差から国の補助金を除いた額を補助。原付は上限18万円、原付以外は上限48万円)を除くと電動バイクの購入補助/助成金を支給している自治体はほとんどなく(あっても数万円どまり)、電気自動車に対する優遇策には程遠い状況です。 電気自動車も、各種補助金のおかげで普及が進んでいる現状を考えると、電動バイク/EVスクーターにももっと手厚い補助が必要ではないでしょうか。とくにカーボンニュートラル宣言をしている自治体は、クルマだけではなくバイクにも目を向けて欲しいと思います。 今回の秩父農工科学高校での講義と試乗のことを聞いた各自治体が、興味を持って、自分のところでもやってみたいと思ってくださると素晴らしいのですが……。