売り上げ4963本から世界最高のゲームへ。ソニー開発陣が任天堂へ感謝
2024年12月13日(日本時間)に「The Game Awards 2024」が開催された。これは北米で開催されたビデオゲームの表彰式で、さまざまなゲームが新たにお披露目されるほか、その年で最も優れたゲームを決めるゲーム・オブ・ザ・イヤーの発表も行われる。 【写真で見る】ゲーム・オブ・ザ・イヤー授賞式に登壇したアストロボット開発陣、Team ASOBIのメンバー。任天堂のことを話す際には「本当は話すつもりはなかったんだけど」と前置きをした。 ゲーム・オブ・ザ・イヤーを定めて表彰する行為自体はさまざまな場所で行われているが、そのなかで最も権威を持つのがThe Game Awardsだろう。2024年はPlayStation 5向けソフト『アストロボット』が受賞した。
しかし、このシリーズ作品は最初から絶好調というわけではなかった。シリーズ最初の作品は、日本ではなんと初週4963本しか売れなかったのだから。 ■PlayStation VRゲームとして登場するも跳ねず このシリーズはソニー・インタラクティブエンタテインメント内の組織「Team ASOBI」が開発したタイトルだ。最初はPlayStation VR向けの作品『ASTRO BOT:RESCUE MISSION』として2018年にリリースされた。
ジャンルとしては初代から最新作まで変わらず、いわゆる3Dアクションゲーム。主人公の「アストロ」を操作して、仲間たちを助けながらゴールを目指していく内容だ。 最初の作品はPlayStation VR向けなので、当然ながらVRヘッドセットを装着する必要がある。コントローラーでキャラクターを動かすだけでなく、頭を動かしたり周囲を見回しながら冒険をする必要があった。 前述のように日本ではあまり注目されておらず、売り上げも芳しいものではなかった。ただ、ゲーム好きからは高く評価されていたし、かくいう筆者も楽しく遊んでいた。
しかしながらいくつかネックがあった。ひとつはVR専用なこと。VRゲームの問題のひとつに、「遊んでいる人は楽しいがそれが周囲に伝わりづらい」ところがある。 『ASTRO BOT:RESCUE MISSION』はシリーズ最初の作品だったので知名度もなく、おもしろかったとしても他人に伝わりづらい。しかもこのシリーズは多くの年齢層が遊べるようなゲームになっているのだが、そもそも幼い子供はVRゲームを遊ぶのは推奨されないのである。