売り上げ4963本から世界最高のゲームへ。ソニー開発陣が任天堂へ感謝
また、筆者は本作が「おもしろすぎる問題」を抱えていたと考えている。このゲームは3Dアクションゲームとしてよくできているだけでなく、そこにVRのおもしろさも乗っかるのだ。 こうなるとおもしろすぎて疲れる現象が起こる。筆者は膝の裏にものすごい汗をかいたし、頻繁に休憩を挟みつつ遊ぶことになった。おもしろいのは事実なのだが、よりカジュアルに楽しめるほうが広がりやすいのは事実だろう。 ■PS5の無料ゲームでステップアップし3作目で花開く
続いてのシリーズ作品は、PlayStation 5に無料でインストールされている『ASTRO's PLAYROOM』となる。 これは無料で遊べるだけでなく、PlayStation 5の「DualSense ワイヤレスコントローラー」のデモンストレーションを兼ねていた。このコントローラーはトリガーに重さをつけたり、微細な振動で独特な感触を表現できたのだ。 『ASTRO's PLAYROOM』は短めではあるものの品質は高く、さらにPlayStationの歴史をたどる要素もあった。これによって知名度を上げることに成功したと考えられる。
そして2024年9月、ゲーム・オブ・ザ・イヤーに輝いた『アストロボット』が発売される。こちらは『ASTRO's PLAYROOM』をさらにパワーアップさせた内容で、コントローラーの機能を最大限活かしている。 さらに「バイオハザード」や「メタルギア」などPlayStationにゆかりのあるキャラクターが多数登場するのもポイントだ。キャラクターのみならず、初代PlayStationで特に有名な『サルゲッチュ』風のステージが用意されているなど、遊びにも組み込まれていたのだ。
実は本作、PlayStation30周年に合わせた作品でもあった。アストロ自体はそこまで知名度のあるキャラクターとはいえないので、さまざまなゲームの有名キャラクターとコラボレーションしたのは重要だっただろう。 『アストロボット』はレビュー集積サイトmetactiricでも100点中94点と高評価なのだが、筆者としてはPlayStation VR版の初代のほうがよりおもしろく感じた。しかしVRゲームでなくなり、より多くの人に魅力が伝わる状況になってようやく評価されたのだろう。