福岡発「“学生アイドル”による地方創生」驚く挑戦 元テレビ朝日プロデューサー教授が仕掛ける“大胆施策”の中身は?
■「アイドル力」で世の中に元気と笑顔を ちょうど私が着任した年の春、世界規模でコロナによるパンデミックが始まり、日本もコロナ禍に覆われていきました。 学生たちは学校に入れない、新入生は初めての講義もリモート、新しい仲間たちと会えない、学生にとっても教員にとっても、大変な日々。 そんな時、AKB48のメンバーがそれぞれ自宅で「365日の紙飛行機」を歌った映像を一つに合わせた動画がアップされたのです。
ほかにも様々なアーティストたちが同じように、自宅で歌う動画を届ける様子を見た時、「私たちもやるべきだ!」と感じました。 エンタメの世界で活動する彼らは、今自分にできることをやることで、その役割を果たそうとしている。 もちろん、全国で学校に行けない辛さを経験している学生たちと、メディア・プロモーション学科の学生たちも同じ境遇です。 けれど、この学科にはアイドル活動があります。みんなの辛さやくやしさがわかる彼女たちこそ、パンデミックの世界に光を届けられるのではないか。
世の中に元気や笑顔、癒やしを届ける力、それが「アイドル力」です。 私は『コロナに負けない! プロジェクト』として、「アイドル力」で世の中に笑顔を届けていく活動を企画し、動き始めました。 人と人とが直接会えないという状況の中、「はなれていても、そばにいる」をテーマにオリジナル楽曲『miso soup』を制作し、ひとりずつ個別に撮影して編集で合成するという形でミュージックビデオを制作、SNSで発信しました。
学科に伝わるアイドル活動を再編成し、学生アイドルユニット「西短MP学科さくら組」を結成、活動の発展とともに福岡の公共団体とのコラボなども増え、地方創生に貢献しています。 ■芸能の街・福岡からエンタメを発信する 東京のテレビ局時代、やはり私の視線は東京を向いていたと言わざるを得ません。 「エンタメの中心は東京。東京から発信してこそ、全国に波及していく」と思っていましたが、福岡でプロデュースしていて、「東京でなければ」という意識はどんどん薄れていきました。