<いざ令和の春>センバツ鳥取城北 高校野球と私/上 境港市出身のタレント 上田まりえさん(33) /鳥取
◇ウグイス 頑張る原点 県立米子東高2年だった2003年の秋、放送部の友人から声を掛けられて高校野球の「ウグイス」(球場アナウンス)に。低くハスキー(かすれたよう)な声はコンプレックスだったが「マイク乗りがいい」と褒められた。先発メンバーを読み上げるとスタンドから声援が沸くことに感動した。翌年の鳥取大会決勝や、秋季中国地区大会でもアナウンスした。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 野球が好きになったのは中2の時。好意をもった子が野球部員で「好きな人の、好きなものを知りたかった」から。甲子園で印象に残っている試合は、04年夏の準々決勝。済美(愛媛)の甘井謙吾選手(当時3年)が中京大中京(愛知)の投手から先頭打者弾を放ったこと。「甘井、先頭打者ホームラーン!」というラジオ実況はMD(ミニディスク)に録音。(大学入試)センター試験当日も聞き「私も頑張るぞ」と気を引き締めた。 野球実況のできるアナウンサーを目指していた専修大時代は、プロ2軍や早稲田大など選手に顔を覚えられるほどグラウンドに通った。(日本テレビを)退職し、タレントデビューした日や結婚記念日は、キャンプインで「球春到来」する2月1日だ。 でもやっぱり原点は高校野球。「苦しかったから戻りたくない」というプロ選手もいるが、同じ目標に向かって同じ時間をささげる経験はなかなかできないこと。19年のセンバツ、母校・米子東の初戦はアルプススタンドへ足を運んだ。校歌や応援歌を同窓会のような状況で歌うのは特別な気分だった。 人のために頑張ると力も出るが、自分のかなえたい目標もあるはず。鳥取城北の選手は気負わず、自分のためにプレーして。それが一勝につながればうれしい。 ⚾ 第92回選抜高校野球開幕(3月19日)まで1カ月。高校野球に熱い思いを持つ、県ゆかりの人々にその魅力を語ってもらった。