「本当にうまい定食屋」に実は共通している特徴。“早い、安い、美味しい”には理由があった
つっけんどんで不愛想なことも共通点!?
さらに、結構な割合で「不愛想」であることも共通していると大平さんは続けます。 「料理をいかに早く提供することのほうが重要だと考えているから、笑顔を振りまく余裕なんてない、というほうが正しいかな。だから、取材をお願いしても“そんなヒマない”とつっけんどんに断られるケースも多くて。 担当編集ともどもがっくりしつつも、“取材を受ける時間があったら、お客さんのために費やしたいという気持ちも、わからなくはないよね”なんて妙に納得したりして(笑)」
「定食屋呑み」を女子のニューカルチャーに!
さまざまな定食屋を経験したいま、大平さんが提唱するのは「定食屋呑み」! 先日も女3人で存分に楽しんできたばかりなのだとか。 「ランチ時以外なら、じつは長居歓迎というお店も多いんですよ。コロナ禍に大打撃を受けた店も多く、利益率の高いお酒はお店側としてもうれしいようです。私は、ひとりのときは混雑時を避けてあとから入店し、瓶ビールといっしょに定食を楽しんでいます。複数で行くときは焼酎のソーダ割りで酔っ払って。 居酒屋呑みとの違いは、やはりバランスがとりやすいところ、そして安心できるところでしょうか。小鉢の種類も多く、いろんなものをちょっとずつ楽しめて、しかもホッとできる体にやさしい料理ばかり。 安くておいしいだけではなく、その街を支える人たちの胃袋を満たしながら歴史をつくってきた老舗の定食屋で一杯、というのもオツなものですよ」 大平さんの最新著書『そこに定食屋があるかぎり』では、都内を中心にセレクトした間違いない店の料理や、お店とともに生きる家族の物語が描かれています。 写真家・難波雄史さんによる、さまざまな感情を呼び起こす写真に加え、いい店の見極めのコツなどもあり、読みごたえも“満腹”の一冊です。 【大平一枝】 作家・エッセイスト。長野県生まれ。 市井の生活者を描くルポルタージュ、 失くしたくないもの・コト・価値観を テーマにしたエッセイを執筆。著書に『人生フルーツサンド』(大和書房)、『こんなふうに暮らしと人を書いてきた』(平凡社)、連載に「東京の台所2」 (朝日新聞デジタルマガジン&w)など <取材・文/女子SPA!編集部 写真/難波雄史> 【大平一枝】 作家・エッセイスト。長野県生まれ。 市井の生活者を描くルポルタージュ、 失くしたくないもの・コト・価値観を テーマにしたエッセイを執筆。 連載に「東京の台所2」 (朝日新聞デジタルマガジン&w)など
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