「体重計から始まった」 タニタに聞いた 日本人の健康意識“進化の歴史”
高齢者も運動にモチベーションを 「筋肉の質」の評価を可能に
これまでに、同社が得た国内外の被験者データは1万4000件。昨年11月には体の部位ごとの測定と「筋肉の質」の評価が可能になった体組成計を売り出しました。「筋肉の質というとアスリートと思われがちですが、一般の方にこそ測り続けてほしい」と西澤さんは言います。 例えば、加齢とともに落ちていく筋肉は「トレーニングしても、年齢が上がると量はなかなか増えませんが、筋繊維を太くして筋質は上げやすいことがわかりました」。これらの筋肉の質を点数化できたことで、高齢者も運動を続けるモチベーションにつながるのでは、と期待します。また女性の場合、体重は月経の関係で、1カ月間に2、3キロの変動があり、「自分の中の変動のリズムを知っておけば、その時々の数値で一喜一憂することはない」など継続した計測の重要性を説明しました。 「“体の中の見える化”をすることで、行動の変移につながります」。タニタでは全社員が活動量計を着用したことで、医療費を削減できたといいます。「体の数値の変化は、行動の小さな選択の積み重ねなんです」。体重計から始まったさまざまな健康チェックの積み重ねが、今後も日本人の健康寿命の上昇に大きく関わっていくのかもしれません。