ANA新ブランドAirJapan、機内で”花火大会” 日本を感じる「夏祭り」開催中
ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のエアージャパン(AJX/NQ)は、新ブランド「AirJapan」で運航する成田-バンコク線とシンガポール線の機内で、夏の終わりのイベント「空の上の夏祭り」を9月13日まで開催している。法被を着た客室乗務員が抽選会を行い、花火の映像を天井に投影するなど、訪日客を中心とした外国人客には日本の夏を、日本人客には過ぎゆく夏を感じてもらおうと、客室乗務員をはじめとする社員が企画した。 【写真】AirJapanシンガポール行きNQ3便の機内に投影された花火の映像 ◆機内で“花火大会” 夏祭りは、成田を出発して約1時間後にスタート。乗客が搭乗前に購入した機内食を各席に届けたり、ドリンク類などの機内販売が終わると、客室乗務員が自ら制作した花火の映像が、普段は機内サービスに使用しているカートに乗せられた小型プロジェクターから投影された。 花火を打ち上げる音に驚く乗客がいる可能性や、夕方の出発便ですぐに眠る乗客もいることから音は流さず、映像のみで花火を楽しんでもらった。乗客の中には、スマートフォンで花火の映像を撮影する人もいた。 夏祭りでは抽選会も行われ、客室乗務員が機内サービスなどのアンケートの回答フォームにアクセスするQRコードが印刷されたカードを配り、裏面に「CONGRATULATIONS(おめでとう)」と書かれていた乗客には、事前購入メニューの「キャラ弁」やお菓子などの景品がプレゼントされた。 エアージャパンによると、機内販売などのサービスを知ってもらう狙いもあり、抽選会を開いたという。抽選会の後には、AirJapanの法被(はっぴ)を着た客室乗務員がインスタント・フィルムカメラの「チェキ」を手に機内をまわり、家族連れやカップルを記念撮影し、その場で写真を手渡していた。 今回の夏祭りは、お盆期間が明けた8月19日からスタート。23日の成田発シンガポール行きNQ3便(ボーイング787-8型機、登録記号JA801A)には、乗客69人(幼児なし)と乗員9人(パイロット2人、客室乗務員7人)が搭乗し、航空路の混雑で成田の出発が43分遅れたものの、シンガポールのチャンギ国際空港には定刻より6分早着となる現地時間23日午後11時49分に到着した。 ◆ゆったりした席でシンガポールへ AirJapanは、FSC(フルサービス航空会社)の全日本空輸(ANA/NH)、LCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーション(APJ/MM)に続くANAグループ第3のブランドで、訪日外国人が主なターゲット。アジア・リゾート路線をグループ内で担ってきたエアージャパンを、FSCとLCCの長所を併せ持つ“いいとこ取り”の航空会社に衣替えした。 1路線目の成田-バンコク(スワンナプーム)線は今年2月9日、ソウル(仁川)線が同月24日、シンガポール線は4月26日に運航を開始した。 機材は787-8で座席数は1クラス324席。シートピッチは海外のFSCのエコノミークラスと同等となる32インチ(約81センチ)で、東南アジアのLCCで主流の28-29インチより広くした。L3-R3ドア付近は何もなく、「Cコンパートメント」最前方30列目の座席は足もとがかなり広くなっている。 ANAの国際線用787は34インチ、国内線用は31インチで、グループ内では中間のピッチとなる。2025年度までに6機体制とする計画で、すべてANAが運航していた機体を改修している。
Tadayuki YOSHIKAWA