試合に「早く負けてほしい」? ネットが明らかにした「ブラック部活動」
部活動改革に向け教員ができることとは
教員向けの講演会で私が受ける定番の質問は、「私たち一教員に何ができるでしょうか」である。改革の気運が高まるなかで、自分に何ができるのかと先生たちが問いかけてくる。 そのとき私はいつも「インターネット環境があれば、ぜひTwitter やFacebookに登録をして、ほんの一言つぶやいてみたり、リツイートしたり、『いいね』ボタンを押したりしてみてください」と伝えている。 たとえば、Twitterで誰かがつぶやいたとき、そのつぶやきに対して「リツイート」をワンクリックするだけでよい。そこでリツイート数が一つ増え、またあなたのフォロワーにもその情報が伝わり、その結果さらにリツイート数が増えていく。 その「数」を見て、今度はマスコミやウェブメディアが関心をもち始める。そしてときに、記事を出してくれる。今度はその記事を私たちが、(自分の意見を交えずとも)ツイートすれば、記者は手応えを感じ、さらにその問題に関心をもってくれる。 改革とは、そんなに大げさなことではない。その方法は、意外と簡単で身近なところにある。 【うちだ・りょう】 名古屋大学教育学部・大学院教育発達科学研究科 准教授。学校リスク(スポーツ事故、組体操事故、教員の部活動負担・長時間労働など)の事例やデータを収集し、研究。専門は教育社会学。博士(教育学)。ヤフーオーサーアワード2015受賞。著書に『ブラック部活動』(東洋館出版社、近刊)、『教育という病』(光文社新書)、『柔道事故』(河出書房新社)など。