黄金世代15人目の優勝者となった天本ハルカ。彼女が大切にする師からの教えとは?
5度のプロテストを経て、今季プロ入り3年目を過ごす天本。早くも2年目に初シードを獲得し、3年目の今季は初優勝を達成と、プロ入り以降は順調に階段を上がっているように見えるが、その躍進の裏には天本を支える多くの“師”の存在がいた。そんな天本が大切にする教えとは何なのか、彼女の“3つの大事”について2024年8月13日号の「週刊ゴルフダイジェスト」で特集を組んでいる。天本が何を語ったのか、みんゴル読者にもお裾分けしよう。 【連続写真】天本ハルカ アイアン斜め前方
天本ハルカ(あまもとはるか)。1998 年7月23日生まれ。 2021年プロ入りの「黄金世代」の1人で、今年4月のパナソニックオープンレディースで世代15人目の優勝を遂げる。子ども時代にテレビ中継で見た宮里藍に憧れたのがきっかけとなりゴルフを始めた。
私の武器は根気、負けん気、安定性!
天本が本格的にゴルフにのめり込んだのは小3の頃。地元でジュニア向けのゴルフスクールがあることを知り、親に頼み込む形で入門した。 「スクールは高学年向けでしたが、無理にお願いして入って(笑)。ここで基礎を教わってラウンドデビューも果たし、初試合も経験しました」 初めて出場した試合の結果はなんと3位。低学年向けの男女混合マッチだったが、これが天本の将来を決めた。 「銅メダルをもらったのは嬉しかったですが……。2位が清水大成さんで、そこからしばらく“打倒・清水大成”でしたね(笑)。その後、試合は年齢や性別ごとに分かれていることや、18ホールで開催されること、九州大会や全国大会まであることを知って、『やってやるぞ!』って」 早くも翌年に九州大会へ出場していた天本の最初の同性のライバルは三浦桃香。その後、大里桃子や勝みなみ、新垣比菜など、いわゆる黄金世代の九州組と出会い、火花を散らすことで、負けん気にさらなる火が付いた。
順調に階段を上がり18歳を迎えた2016年に初めてのプロテストを受けるも4回連続で失敗。5回目の挑戦となる2021年、ようやく扉をこじ開けた天本だが、4回の失敗は決して無駄ではないという。 「子ども時代からの友達でありライバルでもあるので、彼女たちが続々とプロ入りすることに焦りはありました。でも今となってはこの時期があったからこそ、安定性や粘りというのがあるのかなって」 プロになるにあたり「子どもたちが読めるように」と本名の遥香をカタカナ表記に変えた天本。何も知らない小3の遥香にゴルフを教えたハミングバードゴルフガーデンの内田多栄コーチが「本当に真面目で、黙々と練習する子でした」と言うように、ハルカには「これ」と決めたら最後までやり通す根気がある。高く跳ぶには、それだけ深く屈む必要があるのだ。