岡田結実「江戸モアゼル」教養高く気風がいい花魁役を好演
昨年3月末をもってオスカープロモーションを退社、事務所を移籍した岡田結実(おかだ・ゆい)が、年明けから放送されている民放の連続ドラマ「江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~」(日本テレビ系、木曜・午後11時59分)で好調な活躍ぶりを見せている。江戸時代の吉原から現代にタイムスリップしてきた花魁という奇想天外な役どころを、美貌の岡田が時に愛らしく、時に可笑しく、情感たっぷりに好演しているのだ。
時空超えたラブコメ 葉山奨之、前田公輝ら共演陣にも注目
「粋じゃないねぇ」 岡田演じる吉原の花魁・仙夏(せんか)の決め台詞だ。野暮なこと、筋が通らないことを嫌い、相手が誰であろうが言うべきことをピシャリと言ってのける。そんな気風(きっぷ)のいい愛すべきヒロインが突如、令和の東京にタイムスリップしてきてさまざまな騒動が繰り広げられる。 物語の主軸になるのは、時空を超えたラブストーリー。大企業の社長の息子だが父の会社を3ヵ月で退社し勘当された蔵地俊輔役に、葉山奨之。蔵地は叔父・雄彦(田中直樹=ココリコ)とその娘・寿乃(山口まゆ)が暮らす家に居候し、雄彦が経営するカフェで働く。高校の同級生で、カフェの常連客・春日泉美(吉谷彩子)に恋しているが想いを伝えたことはない。その家に仙夏が同居することになるのだが、蔵地は仙夏に振り回されながらも徐々に影響を受けていく。 泉美が働くウェブ広告会社の社長・鳥居直樹(前田公輝)もキーパーソンの一人。仙夏が江戸時代に憧れた男性に容姿は瓜二つなのだが性格は似ておらず、上昇志向でイケイケの青年実業家。そんな直樹が、いままでに会ったことのないタイプである仙夏に次第にひかれていく過程も見どころだ。 そして21日放送の第3話の終盤から新たに登場したのが、仙夏を探して江戸からやってきた謎の武士・岩佐長兵衛(一ノ瀬颯)。第4話ではいよいよ仙夏と会えるのか、会えないのか? 活躍が楽しみだ。
高い教養身に着けた花魁役を岡田が好演
岡田主演の民放地上波連ドラは昨年1月期の「女子高生の無駄づかい」(テレビ朝日系)以来。同作は個性派ぞろいの登場人物たちが女子高生活を無駄に浪費する学園コメディーで、岡田はニックネーム「バカ」で親しまれる主人公・田中望役を熱演していた。 今作「江戸モアゼル」の岡田は明るく元気な女子高生から一転、時代的なギャップなどで笑いを誘いつつも芯のどっしり落ち着いた花魁役でさらに演技に深みを増している。江戸時代の花魁といえば、大身の武士や豪商、文化人などを接客するために書道、茶道、和歌、箏、三味線などの教養や芸事を徹底して学んでいたという。花魁を揚げるには莫大な資金が必要で、一般庶民からはとても手が届かない世界だったといわれる。品格と誇りの高さを持ちながらも笑わせる場面では笑わせ、怒るときには怒り、喜怒哀楽を表現する岡田の演技が仙夏を魅力的な人物として引き立て、ドラマ全体を引っ張っている。今後の展開に期待したい。 (写真と文:志和浩司) ■岡田結実(おかだ・ゆい) 2000年4月15日生まれ、大阪府大阪市出身。 2001年、ジュニアモデルとしてデビュー。2011年から2年間、小学生向けのファッション誌「ニコ☆プチ」の専属モデルを務め、2014年「ピチレモン」のオーディションでグランプリの1人となり専属モデルを1年間務めた。 2017年公開の映画「傷だらけの悪魔」(山岸聖太監督)で俳優デビューを飾る。2018年3月放送「静おばあちゃんにおまかせ」(テレビ朝日系)でドラマ初出演にして主演。2019年1月期放送「私のおじさん~WATAOJI~」(テレビ朝日系)で連続ドラマ初主演。その後も2020年「女子高生の無駄づかい」(テレビ朝日系)、「夜がどれほど暗くても」(WOWOW)、2021年「江戸モアゼル」(日本テレビ系)と、主演またはヒロイン役が続く。 父はお笑いタレントの岡田圭右で、母は元お笑いタレントの岡田祐佳、兄は元子役で俳優の岡田隆之介。