箱根駅伝 東京国際大のエティーリが12人抜き 2区で区間新記録を樹立 ケニア出身の留学生
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走往路(2日、東京・大手町-神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場=107.5キロ)エース区間の2区(23・1キロ)では東京国際大のリチャード・エティーリ(2年)が1時間5分31秒で区間新記録を樹立。2021年大会で同大のイエゴン・ビンセントがマークした1時間5分49秒を18秒上回った。また創価大・吉田響(4年)が1時間5分43秒で日本人歴代最高記録。青学大・黒田朝日(3年)も1時間5分44秒をマークし、同区間では初となる3人同時の記録更新となった。 超ハイレベルな〝花の2区〟で新記録が出た。ケニア出身の留学生、エティーリが1時間5分31秒をマーク。12人抜きの快走で、従来の区間記録を18秒上回った。 「今日は特に緊張もせずに、問題なかった。区間記録を更新できて、とてもうれしい」 14位でたすきを受けた2年生は、スタートからグングンと飛ばし、2・7キロ付近で10人を抜くと、7・4キロで駒大のエース、篠原倖太朗(4年)、11・7キロ付近で早大に追いついた。16キロ付近で篠原を振り切り、12人抜き。東京国際大の先輩、ビンセント(現ホンダ)が樹立した記録を塗り替え、「(ビンセントが)2区を走った動画をYouTubeで見て、イメージはできていた」と胸を張った。 特別な思いで走る箱根路だった。2011年の創部とともに総監督に就任し、23年から監督を務めていた横溝三郎さん(享年84)が、昨年11月14日に肝臓がんのために死去。今大会は左胸に喪章を付けて走った。ケニアの高校出身で大学進学から来日したエティーリは横溝さんから、「闘争心を持って頑張る。チームのために貢献してベストを尽くしなさい」と指導を受けた。天国の恩師に快走を届け、「感謝の気持ちを伝えて、チームに貢献し、横溝先生に見てほしいという思いで走った」と汗をぬぐった。 チームは11位で往路を終えた。3大会ぶりのシード獲得へ-。復路を走るメンバーに思いを託した。(児嶋基) ★箱根駅伝とは
正式名称は「東京箱根間往復大学駅伝競走」。世界に通用するマラソン選手の育成を目的に、日本初の五輪マラソン代表だった金栗四三の発案で1920(大正9)年に始まった。毎年1月2、3日に実施。前回大会でシードを獲得した上位10校と、予選会を通過した10校、オープン参加の関東学生連合の計21チームが出場する。最多優勝は中大の14度、2位は早大の13度。