ヤクルト村上、惜別のアーチ 引退表明の青木に恩返し
恩返しの気持ちが入ったような一打だった。ヤクルトの村上が一回に先制の3ラン。1死一、二塁から山崎伊の真ん中に入った速球を完璧に捉えて、中越えに特大の一発を打ち込み「積極的に打ちにいった。先制することができて良かった」と振り返った。 試合前、引退を表明した青木の記者会見にサプライズで駆けつけた。「表でないところでたくさん叱ってもらった。今こうして、いい人生を歩めているのは、本当に出会ったおかげ」と感謝の言葉を伝え、すすり泣いた。プロ1年目を終えたシーズンオフから自主トレーニングに同行。打撃技術だけでなく、食事への意識や体のケアの重要さなど、幅広く助言を受けてきた。飛躍を手助けしてもらった先輩に惜別の思いをバットで表した。 本塁打、打点のタイトルを争う巨人・岡本和に豪快な一発を見せつけた。12日までの中日との3連戦で2本塁打含む5安打をマークするなど、5試合連続安打。「一打席、一打席、集中しながらやれればいい」とシーズン終盤に状態を上げてきた主砲が、去りゆく恩人へ贈るアーチをかけた。