三遠ネオフェニックスを牽引した大浦颯太のステップアップ(前編)「チームに貢献できたのは次に向けての自信に繋がった」
「自分はチャンピオンシップで何もできていない」
――秋田時代にはプルアップシュートのイメージはなかったですが、三遠では求められたのでしょうか? ピック&ロールからの3ポイントシュートは得意ではないというか、やってきていなかったので確率もそこまでよくないことは分かっていました。秋田ではチームオフェンスを組み立てる中でも、自分に決めきる力がなかったので打っていませんでした。でも三遠に来て「これを打ってほしい」とシーズン始まる前から言われてスキルコーチと練習していき、シーズン終盤に向かって少しずつ入ってきたかなという感触です。 ーーー16連勝していたところから2月、3月のバイウィークを挟み5連敗を喫しました。あの連敗はどのように受け止めていましたか? 連敗が続く中でもチームとしてそこまで崩れていった感覚はなく、むしろ自分の中では負けておいて良かったかなと。負けていい試合なんてありませんが、自分たちが修正をせずにチャンピオンシップに行ってしまうと課題が見えないと思っていたので。もちろん負けたくはなかったですが、結果として負けから学ぶことがあり、成長という意味ではよかったと感じています。 ――チャンピオンシップのクォーターファイナル、広島ドラゴンフライズ戦も振り返っていただきたいです。いずれも接戦でしたが、スローペースでディフェンシブな試合展開となり、リズムがつかめないまま終わってしまった印象があります。 トランジションからシュートが打てなかったり、打っても入らなかったりと乗り切れずに難しい展開になりました。スリービッグ編成の大きいチームに対して、自分たちは小さかったので良い形で戦いきれなかった場面が多かったです。ウチの外国籍選手は、インサイドだけでなく3ポイントシュートなどいろんなオフェンスパターンを持っていましたが、高さで止められてしまうこともありました。自分が何か展開を生まないといけなかったと思っていますし、日本人選手も得点していかなければならなかったです。 ――大浦選手も2試合ともフィールドゴールの精度に苦しみました。 シンプルに力不足だったと思います。ちゃんと試合に出るのが初めてのチャンピオンシップでしたが、いろんな対策をされる中でも決め切る力をつけないといけないと思いました。戦い方や試合の展開がレギュラーシーズンとは変わってくることを頭の中ではわかっていても、まだまだ決めることができなかったのは今後の課題です。 ――思い出したくないかもしれませんが、第2戦の試合終了間際、入れば同点というシュートが外れて、そのままコートに倒れ込み天を仰ぎました。あの瞬間はどのような感情でしたか? 悔しかったです。三遠は日によって誰が得点を決めるかというのが変わってくるチームですが、それでも自分自身の力不足を感じました。自分はチャンピオンシップで何もできていないなぁと。優勝を狙えるチームだったので、負けたというのは心にくるものがありましたね。
ズッボン