【F1】角田裕毅「すべて間違っていた」 得意なはずのサーキットで突きつけられた厳しい現実
【チャンスがなかったわけではない】 「僕のほうの問題なのか、技術的な問題なのかはわかりませんが、蹴り出しのあとに完全にパワーがなくなり、失速するような感じでスピードが落ちてしまって。だいたいいつもこんな感じではありながら、なんとかポジションを守りきってはいるんですけど、今回はポジションを落としてしまいました」(角田) 第7戦エミリア・ロマーニャGPでも大きなスタートミスがあり、夏休みの間にも対策に取り組んできたRBだったが、ここでも問題が起きてしまった。 ポールポジションのランド・ノリス(マクラーレン)も似たような事象に見舞われていたが、クラッチをミートした瞬間にエンジン回転が落ち、加速が鈍ってしまったのだ。 ホンダの折原伸太郎トラックサイドゼネラルマネージャーは次のように説明する。 「エンジンの回転数が落ちるのは、いくつか原因があります。クラッチをつなぎすぎるとか、スロットルペダルの踏み込みが足りないとか、タイヤのグリップを読み違えて想定よりグリップが強すぎたなど、いくつか要因は考えられます。 データを見たかぎりでは、エンジンとして問題はなく、ドライバーが(スロットルペダルで)要求しているトルクをデリバリーしていましたので、なぜああいうことが起きたのか。チームと話し合っていますが、改良できるところはありそうだったので、次に向けてやっていく予定です」 それでもまだ、チャンスがなかったわけではない。 しかし、12周目というかなり早い段階で動いたヒュルケンベルグと同じ周にピットインすることになり、それ以降もヒュルケンベルグに抑え込まれ続けた。 これに対して、角田は2ストップ作戦でフレッシュタイヤに履き替えて逆転を期したものの、逆にローガン・サージェント(ウイリアムズ)に30周以上にわたって抑え込まれたまま、レースを終えることになってしまった。 ヒュルケンベルグが1ストップ作戦でステイアウトして9位を走り、最後までガスリーやフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)と入賞圏を争ったのとは、あまりにも明暗が分かれてしまった。