【闘病】20代で「ベーチェット病」一時は命を絶つことも考える痛み…『自分は幸運だった』
難病・失明・キャリアへの不安で一時は命を絶つことも考えた
編集部: 不全型ベーチェット病との確定診断がされ、具体的にはどのような治療の説明がありましたか? いずみさん: 「まずはコルヒチンの内服とリンデロン点眼を行い、炎症が抑えられるか経過観察する」と説明されました。ただ、私は陰部潰瘍による痛みが強かったため、プレドニン治療に切り替えました。プレドニンの量は徐々に減らしていくとの説明も丁寧にしてもらいました。幸い、私はプレドニン20mgを飲み始めた日からぐんぐん回復したため、順調にプレドニンの量を減らすことができました。 編集部: 20代という若さで病気が判明した時は大きなショックを受けたかと思います。 いずみさん: 聞いたこともない病気だったので、最初は何がなんだかわかりませんでした。「ベーチェット病」で調べると「難病」「治らない病気」「失明する恐れ」と出てきますし、耐えられないほど強い痛みを感じたことからプレドニン内服前は「痛みから逃れるには命を絶つしかない」と本気で思いました。また、仕事を続けられるかどうかもわからず、とにかく怖かったです。当時は転職して半年で、会社でも認められて責任ある立場に任命されたばかりだったこともあり、キャリアが途絶えてしまうかもしれないという不安で一杯でした。 編集部: それほどのショックがあった中で、心の支えになったものは何でしょうか? いずみさん: 家族の存在と仕事が続けられたことです。仕事中は忙しくて病気のことを考えずに済みます。一生付き合っていく必要がある病気なので「医療を受けつつ、どうやって働き続けるか」という課題はありますが、現在の職場は私の病気にも深く理解を示してくれています。出社の調整や出張も強制されず、通院で休みを頻繁に取得することができるので、会社からの理解はとても助かっています。また、私はベーチェット病の診断後に結婚、寛解後には妊娠もしました。死産でしたが、会社の方はいつも体調を気遣ってくださいます。 編集部: もし過去の自分にアドバイスできるなら、どのように声をかけますか? いずみさん: 私の場合、早期にベーチェット病疑いと診断され、大学病院への受診につなげられました。視力低下もせずにすみましたから、過去の自分の行動はベストだったと思います。