知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 後編
トヨタ
内側の楕円は、顧客の心と企業の心を象徴し、重なり合うことで相互に有益な関係と信頼を表すとともに、トヨタの「T」の形を形成している。外側の楕円は、トヨタを取り巻く世界を表す。それぞれの楕円は異なる太さの線で描かれており、日本の書道芸術と文化を象徴している。背景のスペースは、すなわち品質、価値、運転の喜び、革新、安全、環境、社会的責任における誠実さなどを表現している。 2020年には、革新を示すためにシンプルでフラットなデザインに変更された。
ヴォグゾール
ヴォグゾール(Vauxhall)は、同社が設立されたロンドンの地区名に由来する。もともとは「Fulk’s Hall」の訛りであり、13世紀に傭兵として活躍したファルケス・ド・ブルーテ(Falkes de Breaute)という人物が結婚により同地区の権利を得て建てた邸宅の名である。同氏の家紋にはグリフィンが描かれており、これがヴォグゾールのエンブレムにも引き継がれ、さらに「V」と書かれた旗が握られている。 2020年には、よりシンプルで2D的な外観のエンブレムに変更された。
ボルボ
ボルボという名称はラテン語で「わたしは廻る」という意味がある。斜め右上に向かう矢印のついた円のエンブレムは、ローマ神話の戦争の神マルスを象徴するシンボルに由来する。神話内での武器は鉄でできていたため、このシンボルは鉄を表すようになった。ボルボの創業者は鉄鋼業界に携わっており、鉄には強度、安全性、耐久性といった特性がある。その特性をクルマにも反映させたいと考えたのだ。 2021年、新しいデザインに変更され、以前の横棒は削除された。
クリス・カルマー(執筆) 林汰久也(翻訳)