知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 後編
プジョー
プジョーのエンブレムは、後ろ足で立つライオンの姿が長らく親しまれてきた。プジョーが自動車事業に参入するはるか前の1847年にはすでに登場しており、当時は製品の高い品質を象徴するものであった。1923年以降、クルマにはライオンの頭をかたどったボンネット装飾が施されるようになる。1948年、新型203の導入に伴い、馴染みのあるライオンのエンブレムが採用された。これは、創業者の孫アルマン・プジョー氏が生まれたフランスのフランシュ=コンテ地方の紋章を受け継いだものである。デザインは徐々に変化し、より角ばったものになっていった。 2021年には、より高級路線へのシフトを表すものとして、同社の歴史にインスパイアされたレトロなデザインにリニューアルされた。
ポンティアック
1926年にGMが発表したポンティアックの初期のエンブレムは、ネイティブアメリカンの頭飾りをデザインしたものだった。ポンティアックという名称は、かつてデトロイト周辺で英国軍と戦ったオダワ族の指導者の名前に由来する。しかし、若い世代にアピールしようと、GMは1957年に新しいエンブレムを導入した。これも同じくネイティブアメリカンの伝統の象徴である赤い矢じりを表している。 ポンティアックブランドは2010年に廃止された。
ポルシェ
ポルシェのエンブレムは、ブランドの故郷と密接に結びついている。中心には「Stuttgart(シュトゥットガルト)」と書かれ、その下に馬が描かれている。これを囲む4分割の紋章は、1918年のドイツ君主制崩壊後に誕生したヴュルテンベルク自由人民州の紋章から取られたもので、シュトゥットガルトはその州都である。 左上と右下の3本の黒い角の由来は少なくとも10世紀まで遡り、シュヴァーベン地方の広域を意味している。一方、赤と黒のストライプはヴュルテンベルク公爵家のものだ。2023年、同社の75周年を記念してデザインが改められ、色調の変更が加えられた。これは「ブランドの歴史と未来を繋ぐ」ことを意図したものだ。