知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 後編
MG
MGは、1924年に英国オックスフォードでウィリアム・R・モーリス氏の自動車事業の一部として始まったモーリス・ガレージ(Morris Garages)の略である。八角形のエンブレムは、通常のモーリスモデルとMGモデルを区別するためのもので、一部のクルマには八角形のメーターダイヤルも採用された。 2021年には、新しい親会社の下でのビジョンを表現するために、よりミニマルなデザインに刷新された。
三菱
三菱は、エンブレムが社名を表すのではなく、社名がエンブレムを表しているという珍しいメーカーである。3つの菱形(ダイヤモンド)を組み合わせていることから、三菱と呼ばれるようになった。このスリーダイヤのデザインは、創業者である岩崎彌太郎によって選ばれた。彼が仕えた土佐藩の三つ葉の紋章と、岩崎家の家紋である3つの菱形を重ねたものを想起させる。
モーガン
翼のついたエンブレムの由来は不明だが、よく知られている話としては、第一次世界大戦の戦闘機パイロット、アルバート・ボール大尉にインスパイアされたというものがある。初代の三輪車エアロのオーナーであった彼は、その運転の爽快感を、空を飛ぶことに最も近いものだと表現した。
日産
日産という名称は、日本産業の略称である。初期のエンブレムは赤い円に青い長方形を重ね、そこに社名をアルファベットで記すというものであった。これは日の丸を想起させるデザインである。1990年代には、現代性を表すクローム仕上げとなった。 2020年、カルロス・ゴーン氏のスキャンダルと電動化戦略の刷新を受けて、エンブレムが改訂された。それでも、歴史と伝統を尊重し、「太陽」を表す円と、その太陽を貫くほどの強い「信念」を表す横棒のデザインは変わっていない。日産によると、これは「至誠天日を貫く」という同社の理念を象徴するものだという。
オペル
オペルのエンブレムは、第二次世界大戦後のドイツ復興を支えたブリッツ(Blitz、「稲妻」の意)というトラックへのオマージュである。このエンブレムには、ドイツ語の車名の末尾「Z」と、稲妻の形が組み込まれている。 2023年にはエンブレムが変更され、EV化に重点を置くことを示す新しい「稲妻」のZデザインが採用された。