女子世界王者がV14の具志堅超えを果たせた理由
少しジムワークのメニューが濃くなると、体重は、すぐ46.2キロのリミットを下回る。減量の苦労はまったくない。逆に貧血に苦しむほどだが、食事は、定年退職後、再就職している父があれこれと考えてくれ、母親も愛情を持ったサポートをしてくれている。そういう環境下で、ずっとナチュラルなウエートでトレーニングを積めていることも、6年間、無敗であることと無縁ではない。 「体重の苦労がないことが、長期間のコンディションの維持ということにつながっているのかもしれませんね。僕が見ている中で、今の桃が間違いなく最強。もっと強くなりますよ」とは有吉会長。小関桃の記録がもっと伸びギネス級になる日は、そう遠くないのかもしれないと思った。シューズの紐を緩めている小関に最後にひとつ聞いた。「自分は強くなったと、この日の試合で思いましたか?」 「ああ、それってやっぱり勘違いでした!」。彼女は、そう答えて笑った。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)