森のなかにDIYした小さな家で、毎月約11万円で暮らす。その男性は持続可能な経済的自由を得た(海外)
価値観と考え方の変化
今では自分の生活に満足しているが、そこまでの道のりは必ずしもスムーズではなかったと、ボイセン氏は語る。 定期的に給料が支払われる生活から、安定した収入のない生活への移行は簡単ではなく、経済的な不安定さがいちばんの心配だったそうだ。 「私はいまだにお金を数え、本当に必要なものだけを買うのが習慣になっている」とボイセン氏は言った。「ときにはいいビールを買う贅沢を自分に許すこともあるが、自分のために買うものは本当に減らした」 本人の見積もりでは、ボイセン氏は毎月およそ5000デンマーク・クローネ、換算して750ドル(約11万2500円)で暮らしている。これは「多くない」。 収入の大部分は、インフラストラクチャーを改善する目的で使っている。 「穴の開いていないTシャツはもう1枚もないので、人々は私の服がぼろぼろだとコメントしている」と言い、ボイセン氏はこう付け加えた。「でも、そんなのは虚栄心だと思う」 「今さら着ている服でほかの人と張り合うつもりはない」とボイセン氏は言う。 彼のお気に入りのシャツは、亡くなった父親が遺したものだ。 「ずっと、この世でいちばん醜いシャツだと思っていたが、今では父の思い出の品で、しかもとても暖かい。暖かいものを着るべき時期にはそれを着る。それが今の私の価値観だ」
Amanda Goh