森のなかにDIYした小さな家で、毎月約11万円で暮らす。その男性は持続可能な経済的自由を得た(海外)
小さな家を建てる
2020年、ボイセン氏は仕事をやめた。そのころすでに、空いた時間を使って家を建て始めていたので、その完成に集中することにした。 ボイセン氏はすでに2016年に「タイニーハウス・ムーブメント(小さな家運動)」の存在を、ソーシャルメディアを通じて知った。ミニマリスト的な生活スタイルに触発されて、ボイセン氏はタイニーハウスこと小さな家での生活を、持続可能な形で暮らしながら経済的な自由を得るための手段と理解した。 「私が最初に建てようとしていた小さな家は、車輪がついていたので盗まれてしまった。信じられない話で、結局見つからなかった。盗まれたのは2019年。だから、また一から始めなければならなかった」 ありがたいことに、冬の寒い時期に少しの休憩を挟んだにもかかわらず、その家はおよそ8カ月で完成した。 天候は厳しかったし、ボイセン氏自身も屋根づくりでミスをした。そのせいで雨が侵入し、内装の一部がだめになった。 「そのときは本当にイライラして、作業とか腐った家のこととかを考える気力が失せたので、しばらく中断する必要があった」そうだ。 ありがたいことに、数人の友人や大工の助けが得られたこともあり、2020年の春に工事が終わった。その後、1年半の期限で土地を借り、そこに家を運んで設置した。 契約期間が終了したとき、ボイセン氏はずっと住める故郷がほしいと思った。そこで、インターネットで売りに出されている土地を探し、自分の根を下ろすのに完璧な場所を見つけた。 その土地はオーフスに含まれ、およそ1650平方メートルの広さを誇る。舗装されていない道の終わりにあり、緑豊かな森と広々とした草原に囲まれている。 1.5キロメートルほど離れたところに、とても小さな集落がある。最寄りの都市部まではおよそ4.5キロメートルだそうだ。 自分の目でその土地を見たボイセン氏は、そこを16万デンマーク・クローネ、およそ2万3800ドル(約357万円)で買った。 「家をここまで運んだのはトラクター。トラクターで街からこの家を引っ張ってきた」と、ボイセン氏は付け加えた。