本好き共通の悩み。巨大地震発生が危惧される今、我々は大量の本で埋まる『本棚』をどうするべきか
生業がフリーの編集者兼ライター/コラムニストなので、いつも自宅の自室で仕事をしている。 【写真】巨大地震が来たら「一番ヤバい」家の本棚、紙の津波に飲み込まれるリスクが大 昭和生まれとしては「書斎」という響きに憧れたりもするが、僕の部屋はそんなに素敵なものではなく、とにかくごちゃごちゃの、“ザ・仕事場”である。 自室の中でもっとも大きなスペースを占めているのは、なんといっても本。 我が本棚は、もはや迷宮とでも呼ぶべき様相を呈している……、なんてのはカッコつけすぎで、実態はただ整理がつかずえらいことになっているだけだ。
■■欲しい本は躊躇せず買うと誓ったあの日から 僕は社会人になったとき、「これからは、少しでも欲しいと思った本は躊躇せず買う」という誓いを立てた。 編集者たるもの、それは絶対に必要なことだと思ったからだ。 以来30年以上にわたって誓いを守ってきたため、大変なことになった。 前に何百冊かは自力でPDF化したし、必要のない本は折に触れて処分している。それに、新規で買う本の約半数は電子書籍にしている。 でも、増殖は止まらない。 ページをめくる愉悦を知っているので、相変わらず紙の書籍もどんどこ買うからだ。 冗談ではなく床が抜ける心配があるため、本はなるべく家中に分散して置くようにしている。 それにデュアルライフ(二拠点生活)実践者なので、ある程度の本は別宅へ移した。 それでもやっぱり部屋は本で埋め尽くされている。 読書傾向は“乱読”で、興味あるものを手当たり次第に読むため、本棚にはあらゆるジャンルの本が脈略なく並んでいる。 インテリア雑誌に登場する、写真集などが整然と並べられた部屋のようなオシャレ感は皆無である。
今年の春、10年以上住んだ家から新しい家へと引っ越してからは、本棚のカオスっぷりに拍車がかかってしまった。 とっくの昔に本棚の本を整理することはあきらめているが、同じ家に長く住んでいると、おのずとある程度は系統だって本が並ぶようになっていた。 だが引っ越しによってそれが崩れ、今はとりあえず詰め込んだだけの、しっちゃかめっちゃか状態になっているのだ。