ホンダUSA、次期F1パワーユニット開発で日本と協力へ。2026年からのアストンマーチン供給に向け地盤固め進む
これまでホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)として知られたアメリカン・ホンダのモータースポーツ部門は、既報の通り12月19日からホンダ・レーシング・コーポレーションUSA(HRC US)として改称されることになった。 【動画】F1ドライバーにMotoGPライダー……世界のホンダがもてぎに集結! ホンダ・レーシング・サンクスデー2023 ホンダの二輪・四輪モータースポーツを統括するHRCのグローバルな枠組みに再編成されたことで、HRC USも2026年からアストンマーチンに供給予定の次世代F1パワーユニット(PU)の開発に携わることとなるようだ。 そしてHRC USスタッフも、アストンマーチンF1のレースサポートとしてサーキットに帯同することとなる。 こうした協力は、モータースポーツ部門の再編成により、研究開発拠点HRC Sakuraを栃木県に置くHRC Japanと、カリフォルニア州に拠点を置くHRC USの関係がさらに緊密になったことを示している。 「現在アメリカでは3つのF1レースが開催されており、新生HRC USは2026年からF1パワーユニット開発とレースサポートに携わることになる」とリリースの中でHRCは記した。 HRC USはPUの開発に携わることで、今年1月1日に施行された、2026年PUレギュレーションに付随する財務規則に従う必要がある。 言い換えれば、アメリカでのF1プロジェクトもPU予算制限として計上され、HRC Japanが投入できるリソースはそのぶん減ることになるということだ。 HRC USの前身であるHPDは、1994年からインディカー・シリーズにエンジンサプライヤーとして参入するため、アメリカン・ホンダによってその前年に設立。それ以降、インディ500で15勝をマークした(うち6勝は単独サプライヤー時代)。 HPDはインディカーで、他サプライヤーとの競争が行なわれたシーズンでも、13回のドライバーズチャンピオンと10回のマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得した。 HPDはインディカーの他、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権やバハ・オフロード、ツーリングカー、フォーミュラ・リージョナル・アメリカにも参入している。 「HRC USのチームと私は、次なるレースの冒険に乗り出すということにワクワクし、身の引き締まる思いだ」 HRC USのデビッド・ソルターズ代表はそう語った。 「ホンダのレースの伝統は並外れている。私は丁度、モビリティリゾートもてぎで行なわれた恒例のサンクスデーから戻ったばかりだが、MotoGPにF1、インディカー、モトクロス、ダカール、トライアル、ツーリングカー、スーパーGTと、パドックいっぱいに世界チャンピオンが詰めかけ、最高のデモンストレーションが行なわれた」 「こんなことができるのはホンダだけだ。二輪も四輪も、全ての最高峰レースに挑戦し、素晴らしいHRCのファンを楽しませている」 「ホンダのクルマとバイクのクールな文化、最先端のテクノロジー、素晴らしいマシンを加えて、HRCというひとつのグローバルなレース組織を作るべく、我々の会社が素晴らしい人々と一緒になることに、大きな誇りを感じるだろう」 「これはまさに、(ホンダのブランドスローガンである)The Power of Dreamsを体現している。我々は夢のレースを戦えるようになるのだ」 HRCの渡辺康治社長は、9月にHPDがHRC USと改称すると発表した際、日本とアメリカの2拠点が緊密になるこのメリットを次のように強調した。 「我々の目標はHRCのブランドを高め、レース活動での成功を続けることです。ホンダのモータースポーツ活動をひとつのレース組織としてグローバルに統括することが、その実現に役立つと信じています」 「アメリカと日本にいる我々のレースエンジニアがひとつになることで、(HRCは)より強力な存在になります。アメリカの仲間をHRCチームに迎えることができ、とても嬉しく思っています」
Adam Cooper
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