EV化で超ヘビー級乗用車が続々登場! そろそろ「いまの普通免許」じゃ乗れないクルマが出てくる
重量増加がもたらす新たな課題
車両の重量化は、単に免許制度との整合性だけでなく、さまざまな課題を生み出している。多くの立体駐車場や機械式駐車場は重量制限が2.5トン程度に設定されており、3トン級の乗用車は駐車することができない。また、道路や橋梁への負荷も懸念される。従来の乗用車よりも大幅に重い車両が増えることで、インフラの劣化が加速する可能性がある。都市計画や道路設計の見直しが必要になるかもしれない。 タイヤやブレーキなどの消耗部品への負担も大きくなり、維持費の増加も懸念される。さらに、事故の際、その衝撃も大きくなることから、安全面での新たな対策も必要となってくる。 このような状況に対し、自動車メーカーは軽量化技術の開発を進めてはいるが、EVが現状のリチウムイオンバッテリーを使用する限り、抜本的な解決は難しい。全固体電池などの次世代バッテリーの実用化や、車体構造の革新的な軽量化が待たれるところである。 一方で、免許制度の見直しを求める声もあるが、安全面や道路インフラへの影響を考慮すると、簡単には結論が出ない。当面は、重量級EVの購入を検討する際には、自身の運転免許で運転可能かどうかの確認が必要となるだろう。
琴條孝詩