EV化で超ヘビー級乗用車が続々登場! そろそろ「いまの普通免許」じゃ乗れないクルマが出てくる
EV化によって重くなる一方の普通乗用車
近年、自動車業界で加速するEV化の波は、思わぬところで新たな課題を生み出している。それは車両重量の増加だ。とくに大型のラグジュアリーEVでは、車両重量が3トンを超えるモデルも登場し始めており、平成19年(2007年)6月以降に普通免許を取得した若年層にとって、運転できない乗用車が現実のものとなってきている。 【写真】まさにステルス迷彩!? 鏡面仕上げのサイバートラックがヤバい
普通免許の制限、知っていますか?
2017年3月12日以降に普通免許を取得した者には、運転できる普通自動車の車両総重量が5トン未満から3.5トン未満に引き下げられた。運転免許の取得可能年齢は18歳以上なので、2017年に18歳、2024年現在では25歳以下の免許取得者は、この条件に当てはまる。 じつは2007年以降、普通免許で運転可能な車両の条件は段階的に厳しくなっている。2007年6月2日からは車両総重量はそれまでの8トン未満から5トン未満に引き下げられた。 これは、交通事故の削減のために設けられた規制であったが、近年の乗用車の重量増加により、一般の乗用車にも影響が出始めている。従来の内燃機関(ICE)車の場合、フルサイズSUVでも車両重量は2.5トン程度に収まるのが一般的であった。しかし、EVではバッテリーパックの重量が加算されることで、車両重量が大幅に増加する傾向にあるのだ。
続々と登場するヘビー級EV
メルセデス・ベンツの電動SUV「EQS SUV」は、車両重量が2880kgと3トンに迫る大型EVの代表例だ。同じく同社の象徴的モデルであるGクラスのEVモデル「G 580 with EQ Technology」(通称G 580)は、車重が3トンを超える3120kgに達している。 テスラのサイバートラックも最上位モデルのサイバービーストの場合、車両重量は約3.1トンとされており、今後バッテリー容量の大容量化や装備の充実化によりさらに重量が増加すれば、3.5トンを超過する可能性も否定できない。 このような重量級EVの登場は、バッテリー技術の進歩と高級車市場のニーズによるものだ。大容量バッテリーを搭載することで航続距離の延長や高出力化を実現。G 580の場合、432kW/1164Nmという圧倒的なパワーとトルクを誇り、3トン超えのボディを軽々と加速させる。