期待の19歳、南野はザックJに生き残れるか?
ドリブラータイプのジョーカーに残された枠は「1」
ドリブルを得意とするサイドアタッカーとしては宇佐美貴史(ガンバ大阪)、宮市亮(アーセナル)、大津祐樹(VVVフェンロー)らが招集されてきたが、いずれも代表に定着することはできなかった。昨年6月のコンフェデレーションズカップまでは乾貴士(フランクフルト)が重用されてきたが、思うような結果を残せないまま、国内組で臨んだ7月の東アジアカップで結果を残し、台頭してきた齋藤学(横浜F・マリノス)にスーパーサブの座を取って代わられた。 その齋藤も今回の代表候補合宿に招集されている。ザッケローニ監督が描く構想の中で、ドリブラータイプの「ジョーカー」がまだ固まっていない証であり、齋藤と原口元気(浦和レッズ)に加えて、南野にもチャンスの扉が開かれたことになる。 層が厚い2列目だけに、ドリブラータイプの「ジョーカー」に与えられる枠は「1」しかないと言っていい。代表における実績では齋藤と原口の後塵を拝する南野が、大逆転でW杯切符を獲得するためには何が必要なのか。前出の水沼氏が言う。 「経験を積めと言われても、そう簡単なことではない。今回の合宿は手元に置いた上で、ザッケローニ監督が選手たちのパーソナリティーやキャラクターをじっくりと見たいんだと思う。あとは、やはりセレッソの中で、ゴールやアシストといった得点につながる結果をもっと残すことしかないと思う」 6試合を終えたJ1での成績を比較すれば、1ゴールをあげている齋藤、2ゴールに加えて6日のベガルタ仙台戦では3アシストをマークした原口に比べて、南野はノーゴールが続いている。 練習を終え、バスに乗り込む前の南野にあらためて聞いた。 ――齋藤や原口に負けていない点はどこだと思いますか。 「そういう考え方はしていません。自分は自分やと思っているので。自分の特徴はドリブルやターンしてからのシュート、相手の最終ラインの裏への抜け出しなので、そういうところを積極的に、自分の100%の力を出していきたい」