ブロッコリー異例の高値 平年の2.5倍に 過去5年間で最高値
端境期に天候不順が重なる
主要野菜の相場が高騰している。端境となりやすい時期に天候不順が重なり、需給が逼迫(ひっぱく)。主要卸の1キロ価格は14日、ブロッコリー、キャベツともに平年の2・5倍を記録した。特にブロッコリーは過去5年間で最高値と、異例の水準となっている。 ブロッコリーは、雨が降った後の高温など生育への負担が大きい天候が続き、全国の産地で黒すす病などの病害が発生。極端な品薄で連休明けから急伸し、14日の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は1キロ850円と、過去5年間の最高値を更新した。 東京の卸は「直近の入荷は平年のわずか3割。スーパー向けの販売は最低限に抑えているが、その分も欠品となる可能性が高い」と話す。今週末からは福島など後続産地の増量が見込まれ、「来週には高値反動で大幅に下げる」とみる。 キャベツも、14日は1キロ222円と1週間で100円近く上昇した。曇雨天が長期化して品質リスクが高まり、畑でのロスが増加。東京の青果卸は「普段は市場外で産地と取引する業者が、数量を確保できず市場調達を増やした」ことも、急騰の一因に挙げる。 千葉県のJAによると、直近の1日出荷量は平年の半分に落ち込んでいるが、「後続の品種は生育良好で、下旬から本格化する」。愛知産も初夏系の品種が週後半から増量し、「日量は5、6万ケース(1ケース10キロ)と平年水準に乗せる」(JAあいち経済連)とみられ、端境は来週以降、収束に向かう見通しだ。
日本農業新聞