ニコンが初投入、半導体後工程向け露光装置の性能
ニコンは先進後工程「アドバンスドパッケージング」向けの半導体露光装置を2026年度から販売する。複数の投影レンズを精密に制御するフラットパネルディスプレー(FPD)露光の技術を応用し、フォトマスクを使わず配線パターンを露光する「デジタル露光」を採用。フォトマスクを使う場合に比べ、製造コストや期間を削減する。ニコンが後工程向け露光装置を手がけるのは初めて。 【写真】ニコンの後工程向け露光装置 ニコンの後工程向け露光装置ではガラスなどを使う「パネルレベルパッケージ」での利用を想定する。配線の幅と隣り合う配線同士の間隔「ラインアンドスペース」が1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の解像度で露光する。 アドバンスドパッケージングは人工知能(AI)向けの半導体で需要が伸びている。代表的なのが、画像処理半導体(GPU)とDRAMを複数積層した広帯域メモリー(HBM)を接続したデバイスだ。今後、デバイスの計算能力を高めるため、接続するプロセッサーとメモリーの数は増加していく。この需要に対応するには、配線パターンの微細化とパッケージの大型化が求められる。 キヤノンも後工程向けi線露光装置を手がけるなど、競争が激しくなっている。